8月4日~6日に開催された世界最大級のアイドル夏フェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2023」に、9人組アイドルグループの「ラフ×ラフ」が初登場を果たした。
ラフ×ラフは元テレビ東京の佐久間宣行氏がプロデュースを手掛けていることでも話題のグループで、アイドル力に加えてお笑い力も鍛えている「大喜利もできるバラエティーアイドル」が見どころ。
3月9日にデビュー曲「100億点」をリリースし、東京・池袋サンシャイン噴水広場にて初めて、人前でパフォーマンスを披露したばかり。そんな初々しい彼女たちが持ち前のバラエティ力を武器に、念願のTIFでも会場を大いに盛り上げ、観客たちを笑顔にした。
TIF2023で2回目のステージは、TIF名物として知られる野外ステージの「スマイルガーデン」。これまで体験したことのない広さながら、ラフ×ラフの9人は臆することなく自分たちのパフォーマンスを展開してみせた。
そこに突然のゲリラ豪雨が襲来。つい先ほどまでは真夏の日差しが照り付けていたスマイルガーデンは一転して、野外ライブらしい雨中のステージへと様変わりだ。
それでもラフ×ラフを観に来たファンはほとんどがその場にとどまり、9人のパフォーマンスを堪能。今年は10年ぶりに一部ステージがゲリラ豪雨で中止になったが、最後までステージを完遂してみせたラフ×ラフは早くも「持っている」ことを示したのかもしれない。
スマイルガーデンのステージでは1曲目にデビュー曲の「100億点」、2曲目には自己紹介&グループ紹介ソングの「9revenge」を披露。観客がすっかり温まったところで、ラフ×ラフらしさを体現する楽曲の「考える時間をください」をドロップだ。
同曲は歌って踊りながら、即興で大喜利もするという前代未聞のパフォーマンスが特徴。回答者はランダムで決まるため、メンバーたちも「え!?」「どうしよう!!」と動揺しながら、見事な大喜利で応えてみせる姿が醍醐味となっている。
TIFで挑んだ最初のお題は「夏フェスで絶対に向いてない曲のタイトルは?」というもの。一人目に選ばれたのはリーダーの齋藤有紗で、彼女は「大好き、朝の通勤ラッシュ」と回答。続いて選ばれた吉村萌南は力強い声で「契りを交わした10年前」と回答し、センスを見せる。
最後に選ばれた高梨結は動揺し、焦りながらも「なかやまきんに君の全力ラジオ体操!!」と勢いよく回答。観客の笑いに加えてメンバーからのツッコミもあり、会場は大いに盛り上がっていた。
さらに大喜利は続き、2つ目は「嘘をついてお客さんを盛り上げてください」というお題。難題のお題に戸惑う表情を見せながらも、歌とダンスではしっかり魅せる彼女たちの姿に観客も惹きつけられたに違いない。
ここで回答者に選ばれた佐々木楓菜は「かんかん照りだけど倒れるなよー!」と、大雨のなかで絶叫。メンバーからはすかさず「大雨だよ!!」とのツッコミが入り、グループとしての反射神経の良さが光る。続く永松波留は「私、ワルとかヤンキー扱いされるの否定してるけど、実は地元でのあだ名は女番長なんだ!」と意外な一面を告白し、会場を盛り上げた。
最後の回答者に選ばれたのは日比野芽奈。日比野は「ここにいる人、今日中に彼女できるよ!」と叫び、締めの大喜利に相応しく観客の爆笑をかっさらっていた。
プロデューサーの佐久間氏はラフ×ラフのパフォーマンス後、ツイッター(X)にて「ゲリラ豪雨ど真ん中の中、凄い頑張ってました。帰らなかったお客さんに感謝です。あと、日比野の大喜利ちゃんとウケてた」と、メンバーのパフォーマンスを絶賛。佐久間氏自身、ラフ×ラフのステージをずぶ濡れになりながら見守っており、メンバーへの愛情があふれていたのではないだろうか。
asageiMUSEでは今回、スマイルガーデンでのパフォーマンスを控えたラフ×ラフを直撃。初のTIFに対する思いなどを訊いてきた。
【ラフ×ラフ TIF2023 スマイルガーデン セットリスト】
M1. 100億点
M2. 9revenge
M3. 考える時間をください
M4. laughing!
――初出場のTIF、昨日初めてステージに立ちましたがその印象を教えてください。
高梨結 実際にステージに立つまでは、他のメンバーが緊張しているのを見ても「そこまでじゃないんじゃない?」って思っていたんですが、いざ立ってみたら誰よりも緊張してしまい、自分が立ってはいけない場所に立ってるんじゃないかなって。それくらいアイドルだったら誰もが目指すフェスですし、そこに1年目で出させていただいて本当に恵まれてるなと思いました。パフォーマンス中に間違ってしまってもサポートしてくれるメンバーがいるのですごく安心でした。今日のステージも完走したいなって思います。
吉村萌南 自分自身、アイドルのオーディションを何度も受けていて、そこで隣にいた子がTIFに出場しているみたいなことをずっと経験していました。アイドルにはなりたかったけど悔しい時期が長かったので、昨日ついにTIFのステージに立たせてもらって、後ろに大きく「TIF」って書いてあって、それを踊りながら見ていたらけっこう涙腺がヤバかったです。
――齋藤有紗さんと日比野芽奈さんは「青春高校3年C組」でTIF2018に出場して以来になります。
齋藤 青春高校の時とはまた違った感覚でした。ラフ×ラフになってからは自分たちのグループだから考え方も違ったり、立場的にもリーダーになったので、TIFに懸ける想いだったり、もっとたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちが強まりました。佐久間さんに「アイドルを続けたい」と直訴して、それでまたアイドルになれて、TIFにもまた出ることができて、たくさん夢が叶っていくのが嬉しいです。
――デビューイベントの時には公式お兄ちゃんの東京ホテイソンさんがサポートしていましたが、今回は自分たちだけでやらないといけないステージでした。
藤崎未来 やっぱりプロデューサーの佐久間さんや公式お兄ちゃんの東京ホテイソンさんがいて、これまでのYouTube番組とか成り立っていたと言っても過言ではないくらいお世話になっていて。そのなかで私たちだけでできることってパフォーマンスしかないので、すべてを背負ってステージで頑張って、私たちにできることはこれしかないんだと。できるだけ多くの人にラフ×ラフの魅力が伝わるステージにできたらいいなと思っています。
――TIFでファンに見てもらいたいポイントは。
夏目涼風 他のアイドルさんとは違った魅力が出せるのって、やっぱり「大喜利」じゃないかなって思ってます。踊って歌いながら大喜利を考える曲があるんですけど、しっかり頭を働かせながら、お題が誰に当たるかも分からない状況で、表情も頑張っています。サンシャインでのデビューイベントや1stワンマンライブでの反省点を踏まえて、みんなで毎日毎日何時間も練習を重ねてきたので、その成果を出せるように頑張りたいです。
――TIF出演に際して印象的だったアドバイスは何ですか。
林未梨 ラフ×ラフのYouTube番組に、でんぱ組.incの古川未鈴さんに来ていただいて、TIF13年目の先輩としてたくさんのことを教えていただきました。私たちはありがたいことに今回3ステージも出演させていただけるんですけど、ステージごとに演る曲が違いますし、演出や煽り方についても未鈴さんにアドバイスをいただいたので、自分たちでここは誰が煽るととか、ここは煽りなしでいこうとか相談して決めました。
――ラフ×ラフならではの魅力について。
永松波留 バラエティを一所懸命やるのはもちろんなんですけど、まだまだな部分もあって。デビューして半年で、できないこともまだまだ多いんですけど、だからこそ名前にもある通り「荒削り」(rough)な成長過程を楽しんでいただけたらなと思います。
――これから立つスマイルガーデンの印象は。
佐々木楓菜 実は私、スマイルガーデンでデビューできるっていうオーディションを昨年受けていて、最終審査まで進んだんですけど届かなかったという思い入れがあるんです。だからリハーサルの時にはウルウルしてしまいました。一度は遠回りしたけど、一年越しに大好きなメンバーとたどり着くことができたスマイルガーデンなので全力で楽しみたいです!
――それでは今回のTIFに懸ける思いと、これからの活動についてお願いします。
齋藤 今日はTIF最終日なので、スマイルガーデンとフェスティバルステージで最後に残った勢いと力を全部ぶつけて、観てくださっているお客さん全員を虜にできるくらいのパフォーマンスができたらいいですし、歩いている人も思わず見入ってしまうようなパフォーマンスができたらいいなと思います。今後のラフ×ラフは、フェスに出る機会も増えると思うので一つ一つを大事にしつつ、佐久間さんのプロデュースということでバラエティとパフォーマンスのどっちもできるんだぞっていうのを示していけたらなと思います。
――それでは最後に「こんなスマイルガーデンはイヤだ」
齋藤 う~ん、屋根が瓦!
日比野芽奈 意外に和なんだね(笑)
齋藤 床が畳みたいな(笑)
――おあとがよろしいようで!
【ラフ×ラフ 2ndワンマンライブ情報】
日時:2023年8月11日(金・祝)
会場:品川インターシティホール
<昼公演>
9revengeリリースライブ〜9人をもっと知ろう〜
開場13:00/開演14:00
<夜公演>
ラフ×ラフ サマーリベンジ2023〜真夏の大逆転祭り〜
開場16:00/開演17:00
(取材:森田聖子、渡辺梨子/撮影:M.Yamazaki)