「ドラゴン桜」がリアル受験生を超えて小学生にまで影響を与えていた!?

 東大を目指す生徒たちが小学2年生レベルの算数に四苦八苦? 5月16日に放送されたドラマ「ドラゴン桜」(TBS系)の第4話に登場した数学の特訓シーンに、視聴者が驚かされたようだ。

 この日は2005年放送の第一期「ドラゴン桜」から16年ぶりに、伝説の数学講師こと柳鉄之介(品川徹)が登場。竹刀を手に鬼の形相でスパルタ方式を宣言するも、柳が課したのは小学2年生レベルの算数問題だったのである。

「内容は単純な掛け算から3ケタ同士の引き算など、高校生なら落ちこぼれレベルでも容易に解ける問題ばかり。ところが100問をわずか3分で解くという制限が設けられ、東大専科の岩崎楓(平手友梨奈)や早瀬菜緒(南沙良)らは60点程度しか取れませんでした。このシーンに多くの小学生視聴者が釘付けとなっていたのです」(子育て中の女性誌ライター)

東大専科に100問テストを課した柳鉄之介。ドラマ「ドラゴン桜」公式インスタグラム(dragonzakuratbs)より。

 小学生にとってこのテスト形式は「100マス計算」などでおなじみ。その100マス計算は2ケタの足し算や引き算など100問を2分以内で解答するといったもので、まさに今回の「ドラゴン桜」で平手らが苦しんでいたテストそのものなのである。

「劇中では簡単な計算を繰り返すことにより、考えることなく答えが頭に思い浮かぶ『数の暗黙知』を体得する過程を描いていました。九九では誰しもが計算することなく掛け算の答えを得ており、それもまさに数の暗黙知。それゆえこのシーンで描かれていたのは小学生にとって、自分たちが算数で習っていることや苦しんでいることそのものだったのです」(前出・女性誌ライター)

 そんな算数のシーンに加えて、ほかにも小学生の心に響く描写があったという。

「東大専科を率いる弁護士の桜木建二(阿部寛)は、自分の頭で考えることの大切さを強調。これは昨年から小学校に導入された新しい学習指導要領でも重視しているポイントでもあり、今どきの小学生は毎日のように授業の中で『なぜそうなるのか?』を考えさせられています。そのため『ドラゴン桜』の内容は小学生にも実感できるものとなっており、全国の小学生に《自分も頑張れば東大に行けるかも!?》と思わせる効果を生んでいるのです」(前出・女性誌ライター)

 前回の第一期や原作マンガは多くの受験生に影響を与え、「ドラゴン桜を見て東大を目指した」という東大生をたくさん誕生させる契機となった。今回の第二期は、6年以上先に大学受験を控える小学生たちの心に、火を点けているのかもしれない。