実は芸人のほうも、その撃沈ぶりを楽しんでいたのかもしれない。
7月20日深夜放送のバラエティ番組「ウチのガヤがすみません!」(日本テレビ系)には叶姉妹がゲスト出演。これまで数々のバラエティ番組に出演してきた叶姉妹だが、姉の恭子がウケている姿はこれまで見られたことがないという。
そんな指摘に対して恭子は「面白ければ笑いますよ」と反論。お笑い好きの妹・美香は、姉とは笑いのツボが違うと説明していた。そんな恭子が初っ端から、芸人殺しなトークをブッ込んできたという。
「この『ウチガヤ』では毎回、チョコレートプラネットの松尾駿が様々なものまねで登場。この日はジャスティン・ビーバーに扮していましたが、J.Y.Parkのものまねがお気に入りだという恭子は『ふ~ん。何も似てないし』と一刀両断。さらには叶姉妹が来るという日にJ.Y.Parkに扮してこなかった松尾の振る舞いを『普通はないですよね?』と断罪です。これには松尾もすっかり動揺し、すぐに呼んできますと言ってスタジオを出ていきました」(テレビ誌ライター)
レギュラー出演者を退場させるという強権発動の恭子。そんな彼女の“芸人殺し”はこれに留まらなかったのである。
番組では「叶姉妹を歌声で満足させろ!」と題して、面白要素なしにただ普通に歌を歌うという斬新な企画を実施。トップバッターに登場したのは歌ウマ芸人として、最近は歌の仕事が8割というパーパーのほしのディスコだ。
ほしのはアニメ「呪術廻戦」のOPテーマ曲である「廻廻奇譚」をチョイス。この歌ではハイトーンのサビよりも、抑揚の少ないAメロのほうが難易度高めとなっているが、果たしてほしのは出だしから微妙な音程になっていた。
「歌い終えたほしのに対して恭子は『これすごい難しい。すごい難しいからもう一回歌ったらどうかな?』と、まさかのお代わりを要求。普通なら単なるフリに終わるところですが、そこは叶姉妹とあってMCのヒロミもほしのに歌い直しを指示していました」(前出・テレビ誌ライター)
しかしもう一回歌ったからと言って、そう簡単に音程が良くなったりはしないもの。すると恭子は「本当は100点出せたけど、1回目は緊張してその時出せなかったけど、2回目はできる方っていらっしゃるじゃないですか」と言いつつ、「ほとんど同じ」と断罪。そして「もう1回したほうがいい」と、まさかまさかの3回目を歌わせたのである。
「この時点ですでに心が折れていたほしのは、歌いきることができずに撃沈。『3回も歌って大丈夫なのかな』という、当然すぎる感想を口にしていました。バラエティ番組でギャグのお代わりは珍しくないものの、ガチ歌唱のお代わりなどめったに見られるものではありません。それがテイク3まで歌うことになるとは、ほしのにとっても一生に一度の出来事だったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
そんな恭子も舞台裏では芸人たちに優しく接していたようだ。定番アリアの「私のお父さん」を披露したオペラ芸人の大塚澪は、番組内では「全然面白くない」と断言されていたものの、放送の前には「収録始まる前、廊下で恭子様に歌お上手ね〜って褒めていただけて世界一嬉しかったです」とツイート。J.Y.Parkの格好で出直してきたチョコプラ松尾には「こんな時期に韓国から」ときっちりボケをかましていた。どうやら叶姉妹のバラエティ力は、芸人たちにとってもファビュラスだったようだ。