女優業に本腰を入れている田中みな実に、思わぬ伏兵が現れたのかもしれない。
田中は放送中のドラマ「ボクの殺意が恋をした」(日本テレビ系)に、人気マンガ家・鳴宮美月(新木優子)のチーフアシスタント役でレギュラー出演中。絶賛婚活中でイケメンに目がないという役柄にて、わざとらしいほどの大げさな演技を見せている。
そんな田中に対し、TBSで5年後輩だった宇垣美里はドラマ「彼女はキレイだった」(フジテレビ系)にて、初の連ドラレギュラーに挑戦。海外ファッション誌「MOST」日本語版の編集部員で、玉の輿を狙うべく合コンに精を出す肉食女子という役柄だ。
「同じTBS出身の二人が奇しくも似たような役柄を演じているのは偶然なのか、それとも元局アナに向いた役なのか。ともあれ同じクールに連ドラレギュラー出演することで、イヤでも比べられることになるのは避けられません。この二人、現時点での演技力では女優として一日の長がある田中に軍配の上がるところですが、注目度という観点だと必ずしも田中のほうが上とも言い難いようです」(テレビ誌ライター)
あざとさが鼻につきやすい役柄の田中に対し、宇垣の演じる編集部員は“その他大勢”のモブ要員といったところ。宇垣が元女子アナだと知らなければ、彼女の演じる絵里花はさほど印象に残らない役柄かもしれない。
だが二人の出演する両ドラマを見比べる限り、田中よりも宇垣のほうが爪痕を残しているかもしれないというのである。
「なにより田中の『ボク恋』が平均視聴率5.6%と低迷している点は見逃せません。この日曜劇場枠は前クールの『ネメシス』など話題作の多いドラマ枠なのですが、今期の『ボク恋』はほとんど注目されていないのが正直なところ。それに対して宇垣の『彼女はキレイだった』は平均視聴率7.3%と善戦しており、同じ火曜21時枠で前クールに放送された『大豆田とわ子と三人の元夫』の平均6.1%を1ポイント以上も上回っています。この数字にはダブル主演を務めるSexy Zone中島健人の出演効果が寄与しているとはいえ、ドラマはやはり観てもらってナンボ。結果として田中よりも宇垣のほうが、その演技を観てもらえるチャンスに恵まれていることになります」(前出・テレビ誌ライター)
その宇垣、前週までは出番も少なかったが、第3話ではヒロインの佐藤愛(小芝風花)に仕事を押し付けようとして、中島の演じる長谷部宗介からたしなめられるというシーンが印象的だった。またファッション誌の編集部員として華やかな衣装も見目麗しく、第3話ではジュエリーブランドが提供したダイヤモンドのネックレスやイヤリングを着用。30歳になったばかりで、婚活に励む姿にリアリティがあふれているのである。
「宇垣が有利な点は、TBSを辞めてから今回の連ドラ初レギュラーまで2年しか経っていないこと。対する田中は女優転進まで5年かかっており、34歳にして大急ぎで女優のキャリアを積もうとしています。その意味で宇垣には余裕があり、演技力はまだまだ足りないものの、焦っている様子も見られません。そして今回、視聴率にも恵まれていることで、田中よりも気楽な立場で初レギュラーに臨めているのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
この調子でドラマ出演が続けば、いずれは演技力も向上することが期待できる。田中は5年後輩の宇垣に抜かれてしまわないよう、今が相当な踏ん張りどころになっているのかもしれない。