「TOKYO MER」ベトナム人看護師役のフォンチーがかつて味わった外国人ゆえの扱い

 ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS系)にベトナム人看護師のホアン・ラン・ミン役で出演している女優のフォンチーが、その存在感を増している。

 8月15日放送の第7話では、清掃工場で爆発事故が発生。多くの外国人労働者が負傷するなか、不法就労摘発の名目で警察が事故現場を封鎖し、ケガ人の治療や搬送も認めない措置が言い渡された。

 しかし緊急救命チームの「TOKYO MER」を率いる喜多見幸太チーフ(鈴木亮平)は警察の姿勢に反発。看護師のホアンは現場を監視するだけの警察官に「日本人がみないい人なことを知っています。お願いします!」と涙ながらに訴えかけ、心を動かされた警察官たちが上司の命令を無視して搬送を手伝うといった場面が描かれていた。

「元アイドリング!!!のフォンチーは日本で生まれ育った在日ベトナム人。本来は日本語もネイティブですが、本作ではあえて役に合わせた外国訛りの口調にしています。東京都には55万人もの外国人が居住しており、今回のように外国人労働者が事故に巻き込まれるケースも少なくありません。その状況で『TOKYO MER』にあえてベトナムからの留学生を配属させた本ドラマには、令和時代の日本の在り方を問う意味も込められていそうです」(芸能ライター)

これが連ドラ初出演ながらレギュラーとして存在感を示しているフォンチー。
ドラマ「TOKYO MER」公式インスタグラム(@tokyo_mer_tbs)より。

 作中では警察官がホアンに「君は就労ビザを持っているのか?」と嫌味を言い放ち、同僚の音羽医師(賀来賢人)が「お前いい加減にしろよ」とその警察官に詰め寄る場面も。

 ホアンを演じるフォンチーはアイドル当時、外国人を理由にファンから嫌味を言われるようなことはなく、むしろその明るいキャラで人気を博していた。だがそんな彼女にも、外国人ゆえに味わってしまった残念な扱いがあったという。

「アイドリング!!!は2011年にグアムロケを行い、4th写真集もリリース。ところがこのロケにフォンチーは、アメリカ入国に必要なビザを取得できなかったことから参加できなかったのです。在日ベトナム人でも米国の商用・観光ビザ(Bビザ)を取得することは可能ですが、ハードルはかなり高いのが現実。所属事務所でも同様のケースは経験がなく、対応が遅れたことでフォンチー抜きでの写真集が発売される結果となってしまいました」(前出・芸能ライター)

 そんなハンデも乗り越えてきたフォンチーの活躍に、目頭を熱くしている古参ファンも少なくないことだろう。

※トップ画像はフォンチー公式インスタグラム(@fonchi1216)より。