藤田ニコルのチョイ役出演が示した「千鳥」の業界人気ぶり!

 まさか30分の深夜番組にこんな豪華なキャスト陣が出演するとは! その顔ぶれに視聴者も度肝を抜かれていたようだ。

 10月24日放送のバラエティ番組「テレビ千鳥」では、<タレントや俳優やスポーツ選手がよくやっているアレやりたいんじゃ!!>と題して、人気番組「逃走中」(フジテレビ系)のパロディを実施。千葉県の廃校を舞台に、千鳥のノブが赤いジャージ風衣装に身を包んだ大悟に出くわし、自らも青い衣装に着替えさせられる場面から番組はスタートした。

 その衣装に加えて、二の腕に装着したスマホに聞きなれた呼び出し音でメールが送られてくる様子はもはや「逃走中」そのもの。ナレーションも本家「逃走中」でのマーク・大喜多氏を声真似しており、画面に映し出されるテロップもそっくりに作るなど雰囲気はバッチリだ。

 序盤では逃走者のマヂカルラブリー村上や朝日奈央らがハンターに捕まったという報告が。捕まった様子の写真も映し出され、現場には顔を出さずともわざわざ衣装を着せて撮影していたこだわりぶりには視聴者も感心だ。ここで「キャー!」という女性の悲鳴が聞こえてきたところから、事態は急展開したのである。

「千鳥の前に現われたのはハンターから逃げまどう藤田ニコル。いきなりの人気タレント登場にノブは『ちょっと待って、にこるんや!』と手を叩いて大喜びです。視聴者もニコルの登場に驚きましたが、さらには安藤美姫、吉田沙保里、そしてアレックス・ラミレスまで登場。この4人はいずれも今年の本家『逃走中』に出演したガチメンバーぞろいで、『テレビ千鳥』の本気度が伝わってくる人選となっていました」(テレビ誌ライター)

 そんな豪華顔ぶれにSNS上では<本家に負けないキャスティング><出演者が豪華すぎ。深夜番組とは思えない>といった感想が続出。なかには<藤田ニコルほんとにあれだけ?>と、30分番組での起用に驚く声も少なくなかったようだ。

吉田沙保里と安藤美姫もわざわざ千葉でのロケに参加していた。吉田沙保里公式ツイッター(@sao_sao53)より。

 いみじくも番組中ではノブが「逃走中SPできんねん」と、出演者の豪華さに驚く場面も。今回は計9人のゲストが出演し、そのうち4人はわざわざ千葉でのロケに参加していたことになる。

「舞台となった廃校スタジオは『有吉の壁』(日本テレビ系)や『炎の体育会TV』(TBS系)といった人気番組でも使われている、校舎撮影の定番スポット。東京都心からは100キロ弱、片道1時間半ほどの距離にあり、往復の移動だけでも相当大変です。それをゴールデン帯の番組ならともかく決して予算が潤沢ではない23時台の30分番組で使用し、しかも著名ゲストを4人も投入したのですから、相当なコストが掛かったのは確実でしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 ノブが語っていたように“スペシャル番組”のクオリティで制作された今回の「テレビ千鳥」。いまや制作費が潤沢ではないテレビ業界では驚きの内容だったが、なぜこれほどの企画が実現したのだろうか。

「今回の番組には千鳥が上り詰めた現在のステータスが反映されていたと言えるでしょう。彼らの番組ならテレビマンが求める面白さを追求できますし、出演者側としては《千鳥の番組なら出たい》というモチベーションに繋がります。それこそニコルも放送後に『テレビ千鳥面白すぎました』とツイートし、千鳥との共演をエンジョイしていた様子。そんな光景はかつて内村光良がメイン司会を務めていた深夜バラエティ番組の『内村プロデュース』(テレビ朝日系)を想起させますね。その内Pも深夜番組に関わらず旬の芸人が多数出演し、アシスタントとして安めぐみや磯山さやからが出演していました。当時の内村は30代後半~40代前半と脂の乗り切った年齢で、現在41歳の千鳥もまさにその世代になったというワケです」(前出・テレビ誌ライター)

 番組の顔となるメイン出演者に吸引力があれば、たとえ深夜の30分枠でも面白い番組を作れるという実例となった今回の「テレビ千鳥」。どうやらテレビもまだまだ捨てたものではないようだ。