芳根京子がいきなりブッ込んできたネタは、4年前にリリースされた女性アイドルグループのデビュー曲に関係していた? ドラマ「真犯人フラグ」の考察マニアがそんな見方を示しているようだ。
11月7日放送の「真犯人フラグ」(日本テレビ系)第4話では、家族3人が失踪した事件の当事者である相良凌介(西島秀俊)が、勤務先の亀田運輸で記者会見に臨むことに。練習の甲斐あって想定された質問には首尾よく答えられたものの、会社ぐるみで隠ぺいしていた冷凍遺体の件を記者から質問されると、動揺を隠せない姿を露呈。支社長が「確認させていただきます」と会見を強制終了したことで、ますます凌介真犯人説が強まる結果となってしまった。
「記者会見が生中継されていたこともあり、世間はすっかり凌介を母子失踪事件の犯人として怪しむことに。凌介が出社停止処分となるなか、失踪した娘の恋人であるベンチャー企業経営者の橘一星(佐野勇斗)から凌介に、分かったことがあるから会いたいとのメッセージが入り、二人は凌介の旧友が経営するバーで落ちあうことになりました」(テレビ誌ライター)
バーには、事件解決に向けて凌介を支え続けている部下の二宮瑞穂(芳根京子)も同行。信頼できる仲間たちの前で凌介は「本当にみんな俺のことを犯人だと思っているのかな」との愚痴を口にし、「テレビもネットも俺を責めるような内容ばっかりで、目につくもん全部、敵に見えちゃって」との弱音を吐いていた。
「すると二宮はおもむろに『それは“沈黙の螺旋”理論ってヤツだと思います』との持論を口に。人は孤立を恐れることから少数派になると発言しにくくなり、その逆に多数派だと思うと発言しやすくなるという理論です。ここで彼女は二人が飲んでいたお茶のカップを近づけ、『実際はほんのわずかの差しかないのに、少数派は沈黙しているから目につかない』と説明。その上で、凌介の味方は目に見えていないだけで、意外に多いと思うと励ましていました」(前出・テレビ誌ライター)
この「沈黙の螺旋」理論は1966年にドイツの政治学者によって提唱された仮説で、西ドイツ(当時)の選挙における投票行動の変化から導き出された理論だという。考察民の間では、真犯人が冷凍遺体や凌介の不貞現場写真といった情報を操ることで、凌介の擁護派を少数派に仕立て上げているとの見方も浮上。それにより凌介真犯人説が「沈黙の螺旋」理論に従って、多数派として大きくなっていくというわけだ。
その一方で、この理論がもともと、ドラマの原案を担当する秋元康氏が書いた歌詞に歌われていたとの指摘もあるという。その曲とは、秋元氏がプロデュースする大人数アイドルグループのデビュー曲だというのだ。
「2017年にデビューした『ラストアイドル』のデビュー曲『バンドワゴン』は、序盤に《誰もが自分の大事なもの奪われないかと不安になるよ♪》との歌詞があり、まるで凌介の気持ちを表しているかのようです。同曲で歌う《僕が欲しいもの♪》とは、凌介にとっては失踪した妻と子供たちなことは明らか。しかもこの曲のテーマ自体が、今回の第4話で示された沈黙の螺旋理論に繋がっているというのです」(前出・テレビ誌ライター)
曲名の「バンドワゴン」とは、パレードなどの行列で先頭を進む楽隊車のこと。そこから転じた「バンドワゴン効果」という言葉は、ある選択肢を多数の人が選んでいる状況が、その選択肢を選ぶ人をさらに増やすことになる効果を示している。
この効果は選挙における「地滑り的勝利」などの形で現れることもあり、ここから導き出されたのがまさに沈黙の螺旋理論となっている。つまり今回の「真犯人フラグ」第4話では、その根底にラストアイドルの「バンドワゴン」に歌われている世界感があるというわけだ。
「その『バンドワゴン』ではサビにおいて《バンドワゴンに振り回されない♪》との強い意思を高らかに歌い上げています。さらには歌詞の中で《希望とは生きること♪》《未来が続く限りずっとチャンスはあるよ♪》と歌っており、まるで『真犯人フラグ』における今後の展開を暗示しているかのよう。その暗示を信じるならば、一部の考察者が提唱している“じつはやっぱり凌介が真犯人説”や、“家族はすでに亡くなっている説”は否定されるのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
ドラマの公式サイトで行われている真犯人予想企画の「#みんなの真犯人フラグ」では、失踪した妻の相良真帆(宮沢りえ)がトップ3の常連に。そんな視聴者の予想は意外に当たっているのかもしれない。