深津絵里が口にした「あればお電話番号」のセリフに令和の視聴者が感心!

 60年前の日本は現代とどれほど異なっていたのか。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」でヒロインのるいが口にするセリフに、感慨を抱く視聴者も少なくなかったようだ。

 12月27日放送の41回では、弁護士の卵である片桐春彦(風間俊介)が、るい(深津絵里)の働くクリーニング屋に来店。Yシャツの胸ポケットに挿していた万年筆からインクが漏れてシミを作ってしまったという。

 るいは伝票を示し、「ここにお名前とご住所と、あればお電話番号お願いします」と説明。春彦はそこに「06-211-0699」との番号を書き込んでいた。この場面に視聴者から多くの感想が寄せられていたという。

「るいがわざわざ『あればお電話番号』と言ったのは、物語の舞台である昭和37年当時にはまだ、電話のない家庭がほとんどだったからです。同年の電話加入者数は750万件に過ぎず、住宅用に限ればたったの163万件。同年の推計世帯数が2385万世帯ですから、普及率はわずか7%に過ぎませんでした。作中では春彦が電話番号を記入していましたが、それは勤務している弁護士事務所の番号だったのかもしれません」(週刊誌記者)

 そんなセリフに視聴者からは<まだ全世帯に電話はない時代だね><ウチが電話ひいたのは昭和40年だった>といった感想が続出。昭和に思いを馳せる中高年視聴者も多かったようだ。

作中に登場するのは昔懐かしい、ダイヤル式の黒電話だ。

 その一方で、別の観点から制作側の細かな気遣いに感心する声もあったという。

「春彦が記入した電話番号にイタズラ電話を掛けようとする不届き者もいそうなもの。しかし10桁目に適当な数字を入れても絶対に電話は繋がりません。というのも大阪の市内局番は必ず4か6か7で始まるため、『06-2110』で始まる電話番号は存在しないからです。ドラマに登場する架空の電話番号ではわざと桁数を少なくする工夫がよく施されていますが、『カムカムエヴリバディ』の制作陣はそれ以前の段階でいたずら電話防止策を施していたワケです」(前出・週刊誌記者)

 電話ひとつとっても昭和37年の大阪を上手く再現している「カムカムエヴリバディ」。そんな設定に注目するという楽しみ方もあるようだ。