よもやこんなあからさまに認めるとは! 視聴者も逆に驚いたのではないだろうか。
3月10日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第91話では、時代が平成5年(1993年)へと移り変わり、ヒロインの大月ひなた(川栄李奈)が英語学習にトライする姿が描かれた。
勤務する条映太秦映画村では年々、入場者数が減少。その対策として前年にはひなたの発案したお化け屋敷が好評となったが、今回はさらなる集客アイデアが求められることに。ひなたは外国人観光客向けのツアーを発案するが、上司の榊原に「時期尚早」と言われてしまう。
すると、かつてひなたを映画村に誘った大部屋俳優の伴虚無蔵(松重豊)に遭遇。かつて虚無蔵から「時代劇を救ってほしい」と見込まれたことを思い出し、自分に何を求めていたのかを尋ねるも、虚無蔵はただ「黙って鍛錬せよ。日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えよ」とだけ言って去って行った。
「その言葉が響いたひなたは一念発起。結婚資金を貯めていた定期預金を崩し、英会話教室でネイティブ講師からマンツーマンの講義を受けたのです。しかし3カ月コースを修了したものの、お化け屋敷を訪れた外国人観光客から英語で質問された際には《800円》すら英語で答えることができないのでした」(テレビ誌ライター)
果たしてひなたの英語力は向上するのか。そもそも今回、ひなたが英語の勉強を決心したのは、母親のるい(深津絵里)が外国人観光客を相手にペラペラと英会話する姿を見たからだった。
驚くひなたにるいは、ラジオ英語講座を17年間聴き続けてきたからだと説明。回想シーンでは小学生だったひなたがラジオに耳を傾ける場面があり、かつて使っていた旧式の真空管ラジオもあらためて映し出されることに。そのラジオに視聴者は<やっぱりそうだったのか!>と膝を打つことになったのである。
本作ではこれまで、ラジオやレコードプレーヤーといった電化製品になぜか、ヘビーメタルバンド「聖飢魔II」を想起させる単語が使用されていた。真空管ラジオには聖飢魔IIのヒット曲と同じ名前の「FIRE AFTER FIRE」という銘板がハメ込まれていたほか、別のラジオには「X-ISHIKAWA」という表記も。これが聖飢魔IIでベーシストを務めるゼノン石川(Xenon Ishikawa)を表しているのではと、ネット上で盛り上がっていたのである。
「そして今回、冒頭でるいはテレビを買い替えるのですが、店頭ではそのテレビに『ゼノイシカワ製』との説明書きが付されていました。これはもはや制作側が《ゼノン石川》のパロディだと全面的に認めたのも同然。これまではずっと“匂わせ”で通してきたところ、ここにきてついに開き直ったかのような姿勢で、聖飢魔IIつながりを肯定したのです」(前出・テレビ誌ライター)
ひなたの部屋には、子どもの頃にはなかった赤いラジカセが置かれるように。今のところアップで映される場面はないが、このラジカセもゼノイシカワ製であることを視聴者は期待しているのではないだろうか。