【ちむどんどん】暢子、上京初日から「人生に成功する才能」を発揮していた!

 どうやら彼女にとって料理人は天職なのかもしれない。

 5月16日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第26回では、ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が高校を卒業し、東京に上京した初日の様子が描かれた。そこで暢子は、今後の人生にとって重要な役割を果たすであろう才能を発揮したという。

 沖縄が日本に返還された昭和47年(1972年)5月15日に故郷の沖縄・やんばる地方を出発し、東京に到着した暢子。彼女を待ち受けていたのは、東京の大学に合格して一足お先に上京していた親友の前田早苗(高田夏帆)だ。

 島ぞうりに半袖シャツという沖縄っぽさ丸出しの格好をした暢子に対し、早苗は品の良いブラウスにチェックのスカート、そして足元はローファーとすっかり東京の女子大生らしい服装に。そんな早苗は銀座でのランチに暢子を誘ったのであった。

 暢子が東京に来たら美味しい物を食べさせてほしいと、父親からお金を預かっていた早苗。二人が向かったのは早苗が雑誌で見つけた「アッラ・フォンターナ」というイタリア料理店だ。見るからに格式の高そうな豪華な内装に、呆気にとられた暢子は「はぁ~あ、まさかやー! ありえん! アキサミヨー!」と沖縄弁丸出しで驚いたのであった。

「階段を上る女性の足元に『まさかやー。ハイヒール履いている人、初めて見た!』と叫んだ暢子。つい先日まで沖縄でも田舎のやんばる地方に住んでいた彼女にとって、銀座はあまりにも刺激的すぎたようです。その様子にオーナーの大城房子(原田美枝子)は『残念ながら彼女は何年いても都会人にはなれない』と笑っていましたが、“大城”は沖縄県内で比嘉と金城に次いで3番目にポピュラーな苗字。おそらくはオーナー自身も沖縄出身で、暢子の東京生活に大きな役割を果たす可能性が高そうです」(テレビ誌ライター)

暢子の様子に呆れていた大城オーナーだが、暢子の東京生活にとって救世主になるのかもしれない。トップ画像ともに©NHK

 いよいよ暢子は、人生で初となるイタリア料理に挑戦。すると最初に出てきた「タコとセロリとオリーブの冷製サラダ」を口にして、「あい、これこれこれ!」と目を丸くしたのである。

 暢子は小学生の時に那覇のレストランで食べた味だと回顧。どうやら、4月15日放送の第5回で訪れたレストランで口にした「海の幸のサラダ」と同じ味がしたようだ。何事かと様子を見に来たコックに「これ何?」と訊ね、料理名を答えられると「違う! このサラダにかかっているこれ、何ですか?」と質問したのだった。

 コック長らしき二ツ橋光二(髙嶋政伸)は「オリーブオイルです」と答え、それが何かを丁寧に説明。すると暢子は「8年かかってやっと分かった」と納得顔になり、彼女らしい愛らしい表情で「上手く説明できなくてごめんなさい。ありがとうございます」と頭を下げていたのである。

「この場面でなにより驚くのは、暢子が小五の時に1回だけ食べた料理にかかっていたオリーブオイルの味を覚えていたことです。しかも彼女はずっと、その味が何なのかという疑問を抱き続けていました。彼女の“味の記憶”が恐るべき深さと精度を持っていることを、如実に示す場面だったと言えるでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

初めて食べたイタリア料理に感動する暢子。もうボロネーゼの味付けも記憶したに違いない。©NHK

 料理人にとって最終的に信じられるのは自分の舌であり、暢子が8年前の“味の記憶”を明確に抱いていたことには二ツ橋シェフも感心していたはず。彼女の鋭い味覚があれば、一度食べた物を正確に再現することもできそうだ。どうやら暢子は上京初日から、料理人を目指すという人生を成功に導くであろう能力を最大限に発揮していたのかもしれない。