どうやら次の主演作が正念場となりそうだ。
6月15日にドラマ「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)の最終回が放送され、視聴率7.7%で幕を閉じた。シリーズ平均視聴率は7.5%となり、テレビ全体の視聴率が低調ななか、及第点と言える数字を確保した形だ。
本作は主役の若手社員・田中麻理鈴を演じた今田美桜にとって初の主演ドラマ。これまで数多くのドラマに出演し、昨年にはNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」にも出演を果たすなど女優として着実にステップアップしてきた今田にとって、試金石となる作品だったことは間違いないだろう。
「平均7.5%は物足りないようにも感じられますが、特筆すべきは数字の安定ぶり。最低でも7.0%に踏みとどまり、各回の視聴率は7.0~8.5%という狭いレンジに収まりました。これは大きく跳ねなかったというよりも、底堅い数字を残したと評価されるはずです」(テレビ誌ライター)
TVerの再生数ランキングではほぼ全話にわたってベストテン圏内をキープ。平均視聴率10.9%をマークした木村拓哉主演の「未来への10カウント」(テレビ朝日系)を上回る週も多く、タイムシフト視聴が多い若者層の支持を得ていたと言えそうだ。
なにより毎年のようにドラマの視聴率が落ち続けている昨今、水曜22時台の初主演ドラマで平均7.5%という数字をマークしたことは、今田の評価を大きく上げることになったはず。しかも今回の出来栄えにより、先輩女優の「二の舞」を避けることもできたというのである。
「今田の初主演が発表された時点から、2018年にドラマ初主演を果たした吉岡里帆と比べる声が大きかったもの。二人とも水着グラビアで人気を博し、多くの男性ファンを抱えていました。女優としても脇役でそこそこの評価を得ており、初主演作への期待が高まっていたものです。しかし吉岡は主演ドラマが2本続けてコケてしまう結果に。CMタレントや脇役としての評価までは落ちていないものの、民放の連続ドラマでは当面、主役のお呼びがかからないと言われています」(前出・テレビ誌ライター)
2018年1月期に放送された吉岡の初主演ドラマ「きみが心に棲みついた」(TBS系)は平均視聴率が7.7%。ワースト回は6.5%となっており、数字だけなら今田の「悪女(わる)」とどっこいどっこいといったところだ。ただ、吉岡本人が水着グラビアを封印していたにもかかわらず、作中ではアンダーウェアのモデルという名目で背中だけながら素肌をさらす場面も。視聴率稼ぎと批判されつつ、大きな数字の向上には繋がらなかったものだ。
そして同年7月期の主演ドラマ2作目となる「健康で文化的な最低限度の生活」(フジテレビ系)は、平均視聴率5.8%と惨敗。ワースト回では危険水域の4.8%まで落ち込み、この体たらくで吉岡には「主演女優失格」の烙印が押されてしまったのである。
「それに対して『悪女(わる)』での今田は個性的な衣装を着こなしつつ、豊かな胸は徹底的に封印。キスシーンもなく、恋愛要素は中学生並みに大人しいものでした。それでいて“目力モンスター”と称される強い顔面の魅力は存分に発揮され、その笑顔に視聴者はほっこり。長ゼリフを無事にこなす場面もあり、多少ぎこちなかったものの主演女優の役目を大過なくこなしてみせたのです」(前出・テレビ誌ライター)
もちろん、いずれ来るであろう2作目の主演ドラマがコケてしまえば、吉岡の二の舞と言われてしまう恐れはまだ残っている。他局も含めてドラマの制作陣は「悪女(わる)」の出来栄えをポジティブに捉えて、次も主役の今田が輝くような作品に期待したいものだ。