少しは「整合性」というものを意識してもらいたいものだ。
7月29日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第80回では、新聞記者の青柳和彦(宮沢氷魚)が、結婚に反対する母親の重子(鈴木保奈美)に手紙を送った場面が描かれた。
沖縄出身のヒロイン比嘉暢子(黒島結菜)と結婚するつもりの和彦だが、重子は家柄や育ちの違いを理由に反対。暢子は毎日、得意とする料理の腕を活かしてお弁当を作って届けるも、重子はまったく手を付けない有様だった。
しかも重子の元を訪れた和彦は、話し合いをするどころか「僕は母さんみたいな奥さんが欲しいわけじゃない」と言い放ち、母親とは決裂してしまう始末。そんな和彦に暢子は「手紙を書いたら? 手紙なら伝えられるかもしれないさ」とのアドバイスを送ったのである。
「ある日、青柳家のテーブルには暢子お手製の弁当と、和彦からの手紙が置かれていました。その手紙には母親への謝罪に加えて、『今の僕がいるのは母さんのおかげです。生んでくれてありがとう』と感謝の気持ちが綴られていました。その手紙に心が動いたのか、重子は初めて暢子の弁当に箸をつけたのでした」(テレビ誌ライター)
親子のすれ違いが、手紙をきっかけに解消していくのか。和彦と暢子の結婚にとって大きなターニングポイントになるかもしれない場面となっていた。
だがそんな大事な場面に、またもや明らかな「編集ミス」が見え隠れしていたというのである。
「重子が読んでいた手紙は横書きとなっており、インクで書かれていました。ところが和彦が手紙を書いているシーンが映ると、鉛筆を使って縦書きで書いているではないですか。それだけでも十分おかしいのに、前回の放送で暢子からの説得により手紙を書き始めた時には、ボールペンを使って横向きに書いていたのですから、もうワケが分かりません」(前出・テレビ誌ライター)
つまり和彦は、横書きで書き始めた手紙をなぜか途中で縦書きに変え、またもや横書きに戻していたことになる。しかも手紙を書き始めた時には青いYシャツを着ていたのに、書き終えるころには白のストライプ柄に着替えていたのも謎だ。
「シャツの件は、前日に下書きを終え、翌朝に清書したということで解決できそう。それでも鉛筆とボールペンが混在している点は不思議です。もしかしたら鉛筆を手にしている場面では別の作業をしていた可能性もありますが、いずれにせよ絵が繋がっていないことは明らか。これでは《編集ミス》と断罪されてもいたしかたないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
せっかくの感動シーンに水を差した今回の手紙問題。視聴者としても粗探しをしているわけではなく、粗のほうから勝手に目に飛び込んでくるという想いではないだろうか。