その光景はまるで、4年前がフラッシュバックしたかのようだった。
北京五輪にて2月17日に開催されたカーリング女子の1次リーグ最終日にて、日本代表チームのロコ・ソラーレが見事、2大会連続での準決勝進出を決めた。
この日は1次リーグ首位のスイスに4対8で敗れるも、勝敗で並ぶ可能性のあった韓国がスウェーデンに敗退。5勝4敗となった日本はイギリス、カナダと勝敗で並んだが、試合前に行われた「DSC」(ドローショットチャレンジ)でカナダを上回ったため、全体4位での準決勝進出を勝ち取った。
試合後のインタビューでスキップの藤澤五月選手は「正直まだよく分かんないです。ちょっと時間ください」と混乱した様子。それでも気を取り直し、「チャンスを与えてもらえたのはスウェーデンのおかげ」と、韓国を破ったスウェーデンに対する感謝を口にしていた。
さらに藤澤は「ホント4年前と一緒。成長してないなって思ったり」と、平昌五輪からの4年間を回顧。最後は「自分たちの試合をしっかり泣いても笑っても2試合なので、まだ気持ちの整理はできてないんですけど頑張ります」との言葉で締めくくっていた。
前回の平昌五輪と同じく、最終日に全体4位での準決勝進出を果たした日本。藤澤は「4年前と一緒」と語っていたが、その言葉の通り、今回の展開はまさに4年前の平昌五輪とそっくりだったというのである。
「平昌五輪では最終日を迎える前の段階で、日本は5勝3敗の3位につけていました。これは今回の北京五輪でも勝敗、順位ともに同じ展開だったのです。そして最終日でイギリスが3位に繰り上がり、日本が4位に落ちたのも一緒。さらに日本が4位に踏みとどまった理由も、北京五輪と平昌五輪ではまったく同じだったのですから驚きです」(スポーツライター)
平昌五輪では最終日前日の時点で日本が5勝4敗、中国が4勝5敗となっていた。ただ両チームの直接対決では中国が勝っていたため、最終的に5勝4敗で並んだ場合には日本が1次リーグで敗退していたのである。この構図は今回の北京五輪にて、直接対決で勝利した韓国が日本を上回る可能性を残していたのと一緒だった。
そして平昌五輪の最終日、日本は勝利すれば自力で準決勝進出を確保できたものの、スイスに4対8で敗れて5勝4敗に。これは対戦国・点数・勝敗のすべてが今回の北京五輪と同じ結果となっており、第10エンドにコンシードしたところまで含めて、まるで4年前のVTRを見ているかのようだ。
一方で日本と準決勝進出を争っていた中国は、スウェーデンに敗戦。4勝5敗となって準決勝進出を逃していた。これもまた対戦国と勝敗の両方で、今回の北京五輪とまったく同じ構図だったのである。
「藤澤が『スウェーデンのおかげ』と語ったのは、4年前の試合を思い出してのことだったのでしょう。そのスウェーデンにしても、今回は先に試合を終えたスイスが1位通過を決めていたので、勝っても負けても2位通過に変わりはない状況のなかで、韓国に勝ってくれました。これも前回の平昌五輪とまったく一緒であり、その時もスウェーデンは最終日の勝敗に関係なく2位通過が確定していたのです」(前出・スポーツライター)
あらゆる条件やシチュエーションが4年前の平昌五輪を再現したのではと思えるほどそっくりだった、今回の北京五輪。ただ日本代表チームのロコ・ソラーレとしては、決勝トーナメントの結果まで4年前と一緒でいいとは思っていないのは確実。ぜひ準決勝を突破して、日本カーリング界で初の五輪決勝に臨んでもらいたいものだ。