アイドルコピーダンス大会「UNIDOL 2021-22 Winter」優勝は早稲田大学チーム!「卒論を書きながら練習していました」

 優勝したのは卒業を間近に控えた4年生がメインのチームだった。2月28日に東京・中野サンプラザで開催された「UNIDOL 2021-22 Winter 決勝戦/敗者復活戦」にて、早稲田大学の現役女子大生で結成された「君はトキシック」が、審査員票2位、観客投票1位の高評価を受け、見事優勝を果たした。

 この「UNIDOL」は女子大生のアイドルコピーダンス日本一を決めるコンテスト。2012年にスタートし、決勝戦は新木場スタジオコースト(1月に閉館)や今回の中野サンプラザなど、大規模会場で開催されるほどの人気を集めているイベントだ。

 これまで年2回ペースで全国大会を開催してきたが、コロナ禍により2020年夏、2020-2021年冬、2021年夏の3回連続で決勝戦が開催中止に。今回は2年ぶりの開催となり、出場チームも例年以上に気合いの入った様子が印象的だった。

 今回はスペシャルゲストにHKT48を迎え、共同MCもHKT48の松岡はなが担当。現場に指原莉乃や村重杏奈が駆けつけたことも話題になり、これまでより注目度も高まっていた様子だ。

 全14チームが参加した決勝戦では、審査員票で1位になったK大学「chocolat lumière」が最終結果で3位に入賞。準優勝にはこれまで2回の優勝経験を持つ上智大学「SPH mellmuse」が選ばれた。

 そして念願の初優勝を果たしたのは、トリオという小人数編成が印象的な早稲田大学の「君はトキシック」。予選にはセンターれいか一人で望み、決勝戦進出の切符をつかみ取っていた。「4年間ずっと追い続けてきた夢を、今日やっと叶えることが出来ました」という3人は優勝決定後、囲み取材に応じた。

優勝を果たし、HKT48メンバーから祝福される「君はトキシック」。メンバーは前列左からのん、れいか、ゆきこの3人。

――優勝した今の心境を教えてください。

れいか 喜び半分と驚き半分といった気持ちで、私たちが全国で優勝したという実感が湧いていませんでしたが、いま取材を受けている中で本当に優勝したのだなという実感がだんだん湧いてきました。私たちは全員これが最後の大会だったので、ユニドル生活のすべてを賭けようという気持ちで臨みました。私たちの力のすべてを出して評価いただけたことが本当に嬉しく、言葉が出てこないほどです。

――練習やコロナ禍で大変だったことは。

れいか 今まで決勝戦が行われていた新木場コーストよりもさらに広い中野サンプラザという初めての大きな会場で行われたため、練習の中ではどうやって3人で見せられるのか考えるのが大変でした。一度も立ったことのないステージということもあり、想像のつかない中でどのようにすれば私たちの良さをお客さんに届けられるのか研究し、想像しながら作っていかなくてはいけなかったので、予測できないといったところでも難しかったと感じています。またコロナ禍ということもあり、どんなに長い練習でもずっとマスクをつけた状態だったので、コロナの対策をしながら練習をしていかなくてはいけなかったので、両立が大変でした。

3曲を披露した決勝戦では最初、紫×赤×青の衣装で登場。途中で1枚脱ぎ捨て、黒×紺のトキシックカラーにチェンジする演出を見せていた。

――応援してくださった方にメッセージをお願いします。

れいか 感謝してもしきれないくらいです。私自身予選では一人でステージに立ち、決勝戦では二人(ゆきこ、のん)と一緒に立ちました。人数が増えたとはいえ、他のチームと比べると少ない人数での挑戦だったため心細さがあり、3人で何が見せられるのだろうかととても考えたり、悩んだりしていましたが、私たちを応援してくださる言葉一つ一つが本当に力になりました。本番の当日ぎりぎりまで温かい言葉をかけてくださり、こんなにたくさんの方に応援いただいているからこそ最高の笑顔で素敵なステージを作っていこうと自信を持つことができました。みなさんの温かい言葉に救われた結果が優勝だと思っています。ありがとうございました。

――温かい言葉救われたと実感した場面は。

れいか 本番が近づくにつれて今までやってきたことを信じて臨もうと自信を持ちつつも、緊張や不安が大きくありました。それをくみ取って応援してくださる方々が、「自分たちがやってきたことを信じればきっといい結果を残せると思うよ」と励ましてくださいました。結果にこだわってしまいすぎると肩がこわばってしまうため、「やりたいようにベストを尽くせればファンの中では優勝だよ」といった、自信を持ちつつもリラックスして臨めるような言葉を丁寧に選んでかけてくださったことが印象的です。

――UNIDOLの中で学んだことや今後に活かしていきたいことは。

れいか 今までは<大人数チームが有利><優勝常連チームしか勝てない>といったしきたりを壊せないと、諦めそうになったこともありました。それでも最後の最後まで全国優勝という目標に向かって挑戦し続けていれば、もしかしたら叶うかもしれないという気持ちを持ち続けました。自分と仲間を信じてここまで来ることができ、夢を追い続けていればいつか叶えられることを実感しました。これから社会に出たときに、はじめから無理だと決めつけず、果敢に挑み続ける姿勢を大事にしていきたいです。

指さす先に見えたのは優勝の栄冠か、それとも大学卒業後の未来か。

 会見中、メンバーのゆきこは予選を一人で勝ち抜いたれいかの頑張りを称賛。練習や衣装作り、ステージのバックに流す映像の制作に加えて、卒論などUNIDOL以外のことでも大変だったと明かしていた。そのれいかは先進理工学部に通うリケジョゆえ、学業でも相当苦労したはず。本番のわずか3日前にツイッターで「卒業確定しました」と報告していた彼女は、4月からの社会人生活に「UNIDOL全国優勝」の栄誉と自信を胸に取り組んでいくことだろう。

(取材協力:稲葉聡子/撮影:Issey Nakanishi)