【カムカムエヴリバディ】算太がクリスマスに戻ってきたのは「雉」が理由だった!?

 その鳴き声に、制作側の想いが込められていたのかもしれない。

 3月14日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第93話では、ラストシーンで大月るい(深津絵里)の叔父にあたる橘算太が大月家を訪れる場面が描かれた。

 算太はるいの母親である安子(上白石萌音)の兄。かつて安子と共に家業の「御菓子司 たちばな」を再興しようとしていたが、開店資金を持ち逃げしたまま行方不明となっていた。

 その後、算太は「サンタ黒須」と名乗り、振付師に。るいの娘でヒロインのひなた(川栄李奈)が勤める条映太秦映画村にも現れていたが、るいが営む「回転焼 大月」を訪れた際にるいが自分の姪であることに気づき、そのまま姿を消していたのだった。

「そこから8年の歳月が経ち、再びるいの前に戻ってきた算太。第93話の最後には『るい…るいじゃのお』と呼びかけていました。これはもう自分の正体を明かすフラグが立ったも同然でしょう。そしてこの場面では商店街に大きな音で流れていたクリスマスメロディが鳴りを潜め、代わりに『キェーッ!』といった感じのけたたましい鳥の鳴き声が響き渡ったのです」(テレビ誌ライター)

クリスマスの日にサンタが戻ってきた。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 なぜこの場面で鳥が鳴いたのか。その鳥はおそらく「雉」。すなわち、るいの旧姓であり、母親・安子の嫁ぎ先であった雉真家を象徴していたのではないだろうか。

 それに気づいた視聴者からは<鳥肌立った!><そういう意味か>といった声があがることに。しかしいくら結婚前のるいが「雉真るい」だったからといって、この場面で雉が鳴くのは少々無理があるのではないだろうか。

「この鳴き声にはおそらくもう一つの意味もかかっていたはず。というのもこの日はクリスマスであり、その日にサンタの名前を持つ算太が戻ってきたわけですが、欧米ではクリスマスに雉(pheasant)料理を食べることも珍しくないのです。クリスマスの鳥肉料理と言えば七面鳥が有名ですが、実は雉肉もポピュラー。算太が登場する直前にはるいが鳥の手羽先をクリスマスディナー用に買ってきた様子も描かれており、この場面に雉が登場するのはダブルミーニング的な必然だったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 果たして算太は自分の正体をるいに明かすのだろうか。彼の登場が大月家にとって果たしてクリスマスプレゼントとなりえるのか、視聴者も次回の展開に緊張感を覚えているに違いないだろう。