【カムカムエヴリバディ】アニー・ヒラカワは安子ではない?その名前に隠された秘密とは

 どうやらひなたはまだ、その名前が持つ意味に気づいていないようだ。

 3月25日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第102話では、ハリウッド映画の視察団として来日したアニー・ヒラカワ(森山良子)が、ヒロインの大月ひなた(川栄李奈)と言葉を交わす場面があった。

 条映太秦映画村に勤務するひなたは、ラジオ英語講座を聴き続けてきた努力が実り、英語力がかなり向上。その甲斐あって視察団をもてなす役割を担うこととなった。その視察団にはハリウッド映画「サムライベースボール」でキャスティング・ディレクターを務めるアニーが帯同。他の視察団メンバーが京都の寺を見物しているあいだ、アニーは映画村のお茶屋で団子を注文していたのであった。

「前回の第101話でアニーが初登場した時、視聴者からは《彼女が安子なのでは?》との声が多くあがりました。ひなたの祖母にあたる安子は昭和26年、娘のるい(深津絵里)を置いて進駐軍将校のロバートと共に渡米して以来、音信不通に。るいは1999年の春に安子を探すため初めてのアメリカ旅行に旅立ちましたが、有力な情報は得られず終まいだったのです。そして季節が夏へと移り変わったタイミングで、安子のほうから日本に戻ってきたとの期待が寄せられていました」(テレビ誌ライター)

映画村内のお茶屋「やまぶき」でひなたと言葉を交わすアニー・ヒラカワ。トップ画像ともに©NHK

 しかしアニーは日本に来たのが初めてと語るなど、安子ではない可能性は高そう。しかも彼女は別の形で、物語に関わっているとの指摘もあるという。というのも彼女と同じ「ヒラカワ」姓の人物が、本作にはすでに登場していたからだ。

 それは前週放送の第97話にて、ひなたと言葉を交わした謎の老齢男性こと、元日本放送協会アナウンサーの平川唯一氏。平川氏は昭和20年に玉音放送の英訳版を国際放送で朗読した人物であり、終戦後の昭和21年~26年にはNHKラジオ第一放送で流された「英語会話」を担当していた。第97話の1994年夏は前年に亡くなった平川氏の初盆にあたり、「英語会話」のテキストを手にしているひなたが気になっていたのだろう。

「今回の第102話では、毎朝ラジオで英会話の番組を聴いていると話したひなたに対して、アニーが『まだ放送されているの?』と驚く場面がありました。その驚きは、アニーが平川氏の娘や姪だからではないでしょうか。平川氏が担当していたラジオ英会話に50年以上の時を経て再会したという感慨を抱いたように思えてならないのです」(前出・テレビ誌ライター)

 ただ、アニーが平川氏の係累というだけでは、このタイミングでひなたに出会う偶然の理由としては物足りないのもまた事実。視聴者としては、アニーと安子が同じ日系人として交流していたという物語が欲しいところだろう。

 そのアニーはひなたに、2年後にまた日本に戻ってくると約束していた。その再来日時にはぜひ安子に関する情報を持ち帰っていてほしいものだ。