まさかこんなところでヒントが明かされるとは…、視聴者も意表を突かれたのではないだろうか。
残りあと10回となり、4月8日に最終回を迎えるNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。3月24日には朝ドラで恒例となっている「バトンタッチセレモニー」が東京・渋谷のNHK放送センターで行われ、現ヒロインの川栄李奈が、次期朝ドラ「ちむちむどん」のヒロインを務める黒島結菜にバトンタッチを行った。
新旧のヒロイン同士が顔を合わす貴重な機会のバトンタッチセレモニー。これが終わるといよいよ、次の朝ドラが始まるとの実感も沸くというものだ。
ここで現ヒロインの大月ひなたを演じる川栄は、4月4日からの最終週について「えっ!?と驚くような怒とうの展開です」と説明。すでに伏線回収ターンが始まっている「カムカムエヴリバディ」において、さらなる伏線回収が続く予感を抱かせていた。
次期ヒロインの比嘉暢子を演じる黒島は恒例のプレゼント交換で、沖縄ならではのシークワーサーの木から作られたウッドボウルを贈呈。そして川栄は和菓子の詰め合わせを贈ったのだが、その内容物に目を見張る視聴者もいたのである。
「その詰め合わせは半分が“大月”の焼き印が入った回転焼きで、これはヒロインの母・るい(深津絵里)が営む『回転焼 大月』の品物でしょう。残り半分は『カムカムエヴリバディ』のロゴが印刷された透明な包みに覆われた、おまんじゅうのような和菓子。大きさは回転焼きと同じくらいですが、焼き色が付いていないという違いがあります。しかし大月では回転焼きしか取り扱っていないはず。するとこの和菓子はいったいどこの品物なのでしょうか?」(テレビ誌ライター)
NHK側の発表によると、川栄が贈ったのは「御菓子司『たちばな』特製の和菓子」だったという。たしかに大月の回転焼きには、るいが母親の安子(上白石萌音)から受け継いだ「たちばなのあんこ」が使われているものの、それ自体を「たちばな特製の和菓子」と呼ぶのはいささか不自然だ。
「そうなると回転焼きと並んでいた和菓子は、現代に再興した『御菓子司 たちばな』の品物と考えるのが自然でしょう。3月17日放送の第96話では、るいと夫の錠一郎(オダギリジョー)が訪れた岡山のジャズ喫茶にて、たちばなの包み紙に覆われたおはぎが御供え物として登場していました。視聴者からは《たちばなが復活していた!?》との声が続出していましたが、今回のバトンタッチセレモニーにてNHKが自ら、ネタバレした形かもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
作中にまだ現代のたちばなが出てきていない以上、今回の和菓子プレゼントはネタバレというより「匂わせ」といった段階か。ともあれ物語で重要な役割を果たす和菓子をプレゼント交換に使うあたり、NHKもなんとも粋な計らいをしてくれたのかもしれない。