だから最中だったのか! そう納得した朝ドラファンも少なくなかったようだ。
4月12日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第2回では、ヒロインの比嘉暢子(稲垣来泉)が東京のお菓子に大喜びするシーンがあった。
沖縄本島北部の山深いやんばる(山原)地区に暮らす比嘉一家。4人きょうだいの次女・暢子は食べることが大好きな食いしん坊だ。そんな山原に東京から民俗学者の青柳史彦(戸次重幸)が、息子で中学生の和彦(田中奏生)を連れて、研究旅行のために訪れていた。
「まだ見ぬ東京に大きな憧れを持つ暢子は登校してきた和彦にまとわりつき、『東京でいつもどんなもの食べてるわけ?』『お菓子の種類もたくさんある?』と質問攻めに。沖縄に来たことを後悔している和彦は無視するものの、暢子は『諦めないからね』と真っ直ぐな目で和彦の背中を見つめていたのです」(テレビ誌ライター)
そんな青柳教授はとある晩に、引っ越しのあいさつで比嘉家を訪問。手土産として東京から最中を持参していた。その箱をひったくるように受け取り、「まさかー! 東京のお菓子?」と喜ぶ暢子。さっそくきょうだい4人で最中にぱくつき、暢子は「マーサンヤー(美味しいなあ)、東京のあんこはサラサラしておいしいさぁ。何かちむどんどんする!」と大喜びしたのだった。
「この場面に朝ドラファンからは《これはたちばなのあんこでは!?》《カムカムへのオマージュだよね》《吉右衛門さんも最中が好きだったよなあ》といった感想が続出。先週まで放送されていた『カムカムエヴリバディ』では初代ヒロイン安子の実家である『御菓子司 たちばな』のあんこが作中で重要な役割を果たしていたこともあり、今回の『ちむどんどん』にバトンタッチする役割をあんこに託したのではとの声があがっていたのです」(テレビ誌ライター)
しかも、この第2回にはさらにもう一つ、「カムカムエヴリバディ」からの繋がりを感じさせるアイテムが出てきたという。
比嘉家では毎朝、暢子がゆし豆腐を買いに行っており、今回は砂川豆腐店を訪れる場面が描かれた。豆腐店にて暢子は、水気を濾す前のゆし豆腐をどんぶりから美味しそうに食べていたのだった。
「豆腐と言えば『カムカムエヴリバディ』でヒロイン安子の親友だった《豆腐屋のきぬちゃん》を連想させます。最終回では安子がきぬの孫・花菜(小野花梨)を見て、きぬ本人と勘違い。孫の桃太郎が花菜に一目惚れし、その場で交際を申し込む場面もありました。そこからわずか4日後の『ちむどんどん』でも豆腐店が舞台の一つとなっていたのですから、こちらにもバトンタッチの役割を感じた朝ドラファンが多かったようです」(前出・テレビ誌ライター)
思えば3月24日にNHKで行われたバトンタッチセレモニーでは、「カムカムエヴリバディ」3代目ヒロインの川栄李奈が<たちばなの和菓子>を、「ちむどんどん」ヒロインの黒島結菜に手渡していた。食が一つのテーマになっている「ちむどんどん」では、今後もあんこを含むお菓子が重要な役割を果たしていくのかもしれない。