【ちむどんどん】暢子の「うちがそば作ってあげる」で、父・賢三の運命が決まった!?

 そのラストシーンに「やっぱり…」と思ってしまった視聴者も少なくなかったようだ。

 4月15日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第5回では、ヒロインの比嘉暢子(稲垣来泉)が家族で那覇のレストランで洋食を食べる場面が描かれた。

 この日は東京から研究旅行に来ている大学教授の青柳史彦(戸次重幸)が、比嘉家で夕食をご馳走になったお礼として、一家をディナーに招待。暢子たち4きょうだいは初めての洋食レストランに大興奮だ。

 メニューは「あさりのクリームスープ」「海の幸のサラダ」「デミグラスソースのハンバーグステーキ」で、最後のデザートはプリン。暢子たちは「でーじまーさん!」(とても美味しい)とその味に感動し、暢子は「お父ちゃん、うち東京に行ってみたい!」と、まだ見ぬ東京への憧れをますます強めたのであった。

「すっかりテンションの上がったきょうだいたちからは新しいズックや体操着を買ってほしいと懇願され、『買ってやる』と安請け合いしていた父親の賢三(大森南朋)。しかし比嘉家の家計は苦しく、第2回では叔父から借金について叱責されていたことも。作中では賢三が那覇に出稼ぎに出ることが明かされていました」(テレビ誌ライター)

 その日の夜、母親の優子(仲間由紀恵)は比嘉家が自宅を建て、さとうきび畑を購入したことに触れ「無理し過ぎたかねえ」とつぶやいていた。出稼ぎに出る賢三には「無理しないでよ。健康が一番大事だからね」と心配の声をかけていたのである。

 そしてレストランに行った翌日、山原村の自宅で一家が食卓を囲んでいると、優子は「お父ちゃんが出稼ぎに出たら寂しくなるねえ」とシミジミ。ここで暢子が口にした言葉に、一抹の不安を抱いた視聴者も少なくなかったのではないだろうか。

「暢子は『お父ちゃんが帰ってきたらうちがそば作ってあげる!』と語り、賢三も『それは楽しみだなあ』と返していました。父娘による微笑ましい会話ですが、こういった形で未来について語る場合、それは“叶わぬ希望”のフラグだというケースは珍しくありません。暢子が賢三にそばを作ってあげる未来は来ないのではと、視聴者は不安に駆られたのです」(前出・テレビ誌ライター)

子供たちにズックや体操着を安請け合いしていた賢三だが、その思いは叶うのか。トップ画像ともに©NHK

 しかも作中ではもうひとつ、その不安を増幅させる場面が。いつものようにシークワサーの実を取りに行った暢子は、同じ学校の男子たちに「女には無理やさ~」などとバカにされるも、決意一番のジャンプでついに実をゲット。喜ぶ気持ちを海に向かって「お父ちゃ~ん 自分で取れたよー!」と叫んだのだった。それはまるで、声が届かぬところに行ってしまった父親に向けて訴えかけているようではないか。

 すると場面はサトウキビ畑で農作業中の賢三と優子の姿に。手で下草を刈り取る厳しい作業のなか、突如、胸を押さえて倒れる賢三。優子が何度も「賢三さん!」と問いかけるも立ち上がれない様子だった。

「そんな衝撃的な場面で幕を閉じた第5回。すると朝ドラ受けの『あさイチ』に、賢三役の大森が出演したのです。朝ドラの出演者が『あさイチ』に出る時は、その作品での出番が終わるタイミングが多いもの。視聴者としてはつい先ほど賢三が倒れる場面を見たばかりですから、残念な予感が的中してしまったと感じたことでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 暢子がついぞ、賢三にそばを作ってあげる日は来ないのか。来週の放送内容に今から胸を傷める視聴者も少なくないようだ。