元フジテレビ・久代萌美が示した「局アナ経験者ならではの強み」とは?

 さっそくその強みを垣間見せてくれたようだ。

 3月いっぱいでフジテレビを退社し、4月から吉本興業の所属となった久代萌美が、4月18日に開催された「2025年大阪・関西万博3年前イベント~テーマ事業『いのちの輝きプロジェクト』発表会~」にて司会を担当。吉本入り後では初めて公の場に姿を表した。

 吉本の大先輩にあたる陣内智則と共に司会を務めた久代。そのスムーズな進行ぶりには陣内も「さすがですね~」と感心しきりだ。この日は大阪万博のパビリオンを担当するプロデューサー8人が登場し、それぞれのパビリオンについてプレゼン。生物学者の福岡伸一氏やロボット研究者の石黒浩氏といった各界の大物を相手に、着実な仕切りを見せていたようだ。

「フジテレビの局アナ時代には『さんまのお笑い向上委員会』や『ワイドナショー』を担当し、一癖も二癖もある芸人たちを相手にしてきた久代。その経験が活きたとの評価もあるようです。ただ今回の司会進行ぶりに関しては、彼女の《局アナ経験》が存分に活かされたのではないでしょうか」(業界関係者)

 勝手気ままにしゃべる芸人たちを仕切るには、相当な経験と度胸が必要なのは間違いない。ただ、放っておいても勝手にしゃべってくれる芸人とは異なり、学者や研究者といった文化人は必ずしも、人前でのトークには慣れていないものだ。

 今回のイベントも大阪万博のテーマ事業とあって、内容的にはかなりお堅いものだったはず。だからこそ久代の局アナ経験が存分に活かされたはずだというのである。

「局アナは、自分を抑えて番組を進行することが大事な役目の一つ。芸能人が主役のバラエティ番組はもちろん、コメンテーターや解説者が活躍する報道番組、パネラーやレポーターを活かす情報番組でも局アナに求められる役割は一緒です。久代アナは局主催のイベントで質問をする係なども任されており、その際には質問者の立場に徹していたもの。そういった訓練を局アナとして長年続けてきたことが、フリーのキャスターや司会者にはない大きな強みとなっています」(前出・業界関係者)

大阪万博関連イベントの仕事でさりげなく万博をアピールするところもさすがだ。トップ画像ともに久代萌美公式インスタグラム(@kushiro_moemi)より。

 いわゆるエースアナのような活躍は少なかった久代アナだが、担当番組の幅は広く、前述のようなバラエティ番組に加えて音楽番組「ミューサタ」のMCや、スポーツニュース番組「S-PARK」も担当。BSフジではニュース読みの経験も豊富で、局アナとしては万能タイプの活躍を見せてきたのである。

「一般的にはあまり知られていませんが、吉本興業は公的イベントの制作や進行も数多く手掛けており、いわゆる《お堅い仕事》の需要も少なくありません。そんなとき、吉本所属でありながら“お笑い”の色が付いていない久代の存在は実に貴重。9年強の経験で鍛えられた《局アナらしいしゃべり方》は、今回の大阪万博関連イベントのような場には実にピッタリでしょう」(前出・業界関係者)

 どうやら久代は、自分の力を最も発揮できる職場を選ぶことに成功していたのかもしれない。