5月放送のカムカム総集編に視聴者から「これで謎が解ける!」の声が出るワケ

 カムカムロスから立ち直れていない視聴者に朗報だ。4月8日に完結したNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の総集編が5月に放送されることが決まったもの。

 170分の長さにわたる総集編はNHK BS4Kで5月1日午後1時半から、NHK総合では5月4日午後2時から放送される。大胆な編集のもと一本の別の作品としても楽しめるようになっているそうで、制作統括の堀之内礼二郎チーフプロデューサーは「ちょっとした驚きの仕掛けもありますし、新たな編集の効果で印象深いあの場面に違う感動を感じるなど、さまざまな工夫が加わりました」と明かしている。

 3時間近い長さとあって大作映画に匹敵するボリュームの総集編。驚きの仕掛けとやらにも期待の高まるところだが、同作で“考察”にハマった視聴者からは、<これで謎が解ける!>といった声があがっているというのだ。

「この『カムカムエヴリバディ』では終盤、アメリカに渡った雉真安子(上白石萌音)が、娘の大月るい(深津絵里)や孫の大月ひなた(川栄李奈)の前に姿を現すかどうかが話題に。ハリウッド映画のスタッフとして来日したアニー・ヒラカワ(森山良子)が安子ではないかと、大いに盛り上がりました。ところが意外なことに、本作がスタートした当初には視聴率がさほど良くなかったのです」(テレビ誌ライター)

アメリカに渡ってからは回想シーンでのみ登場していた安子。アメリカ時代が描かれたのは4月7日放送の第111回でのことだった。©NHK

 全112回、23週にわたって放送された「カムカムエヴリバディ」において、安子編は全7週、るい編は全6週、ひなた編は全10週という配分になっていた。数字で見るとるい編の短さに驚くところだが、ひなた編が実質的に「るい&ひなた編」であることから、このボリュームになっていたようだ。

 そして放送当初の第1週と第3週には、週間平均視聴率が15%台に留まっていたもの。第5週には全話が16%を超えたものの、全話で17%超えを果たしたのは第12週になってからのことだ。それはるい編にて、大月錠一郎(オダギリジョー)が関西一のトランぺッターを決めるコンテストでトミー北沢(早乙女太一)と熱い戦いを繰り広げた週だったのである。

「序盤の安子編はドラマとしての出来は良いものの、全体的に雰囲気が暗い感じは否めず、視聴率が上向かない原因にもなっていたようです。ただ物語が完結した今になって振り返ると、様々な伏線が安子編で張られていたことも理解できます。終盤にかけてぐんぐんと盛り上がった考察ですが、その謎ときには安子編で張られた伏線を知っている必要があり、安子編を観ていなかった視聴者は物足りなさを感じるケースも。それもあって今回の総集編では見逃していた安子編をあらためて確認できるとして期待を集めているようです」(前出・テレビ誌ライター)

 視聴者のなかには安子がヒロインだった序盤を観ていなかったため、安子のビジュアルをアニー・ヒラカワという老婦人のイメージで捉えていた人もいるようだ。そんな人たちも今回の総集編を観ることで、若くてイキイキとした安子に出会えるのではないだろうか。