【ちむどんどん】良子を襲う嫉妬心、里美の「学歴マウント」が怖すぎる!

 これも女の怖さの表れなのかもしれない。

 4月26日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第12回では、比嘉家の長女・良子(川口春奈)が大学時代の勉強会仲間たちと4人で、ハンバーガー店を訪問。そこで勉強会メンバーの東江里美(松田るか)からマウントを取られる場面が視聴者の興味を惹いていたようだ。

 その「サンセット・バーガー」は新しくできたばかりの店舗ながら、勉強会メンバーの石川博夫(山田裕貴)は陽気なマスター(川田広樹)から「ヒロ!」と呼ばれており、すっかり顔なじみの様子。1個60セントというハンバーガーは現代の物価では1000円を軽く超える代物ながら、那覇で生まれ育った都会人の博夫にとっては決して高すぎるということもないようだ。

 そのマスターから「じゃあみんな、同じ那覇の大学の?」と問われると、里美は「はい。ああ違う! この子だけ短大」と、良子だけは違うということをアピールしていた。その笑顔に隠れされた真意はどんなものだったのだろうか。

「里美は良子と仲良さそうにしているものの、実は博夫に惚れている様子。那覇から離れた名護の同じ小学校に教師として赴任した偶然について『運命の赤い糸かもね』と、博夫に秋波を送っていました。しかし博夫はどうやら良子のほうに気があるようで、里美としては四大卒の自分よりも格下の短大卒である良子に対し、面白くない気持ちを抱いていたのではないでしょうか」(沖縄マニアのライター)

いかにも仲良さげな勉強会メンバーだが、その中にはバチバチと火花が飛んでいたのかもしれない。トップ画像ともに©NHK

 物語の舞台である昭和46年(1971年)当時の沖縄には琉球大学のほか、沖縄大学と国際大学(現・沖縄国際大学)という二つの私立大学が存在。四年制大学はこの3校のみという状況だった。

 博夫や里見らの卒業した大学は明示されていないものの、教育学部を擁する琉球大学だった可能性が高い。現在は郊外の西原町にある琉大だが、当時は那覇市内の首里城跡に建っていた「那覇の大学」だ。その琉大はいわば「沖縄の東大」というべき、絶対的な地位を持ったエリート大学だったのである。

「現在でも沖縄県内では絶大な影響力を持つ琉球大学ですが、返還前の当時だとその価値はさらに高いものがありました。里美が琉大卒なのであれば、短大卒の良子を下に見ているのは明らか。それゆえ里美はあえて良子の短大卒をアピールすることで、マウントを取りにいったのでしょう」(前出・ライター)

 一方で良子が琉大に進学しなかったのは学力の問題ではなく、借金を抱えて困窮する比嘉家のために、1日でも早く教員になって働きたかったからという可能性もある。そんな賢い良子だからこそ、四大での勉強会に参加して、メンバーと交流できていたのではないだろうか。

「そういった良子の賢さも里美にとってはイラつく原因になりそう。今後も里美は恋敵の良子に対し、様々な場面でマウントを取りに行く可能性が高そうですね」(前出・ライター)

 朝ドラではヒロインやその家族が様々な苦難に遭い、それを克服していく姿も見どころのひとつ。視聴者としては良子が博夫と結ばれる姿に期待したいところだが、都会育ちの博夫はやんばる育ちの良子を受け入れることができるのか。なんとも心配なところだろう。