ライブアイドルシーンで確固たるポジションを確立し、2017年にはエイベックスからメジャーデビューも果たしていた5人組グループの「大阪☆春夏秋冬」(略称:しゅかしゅん)が、4月29日のラストライブで現体制での活動に終止符を打つこととなった。
注目のラストライブはCS放送のテレ朝チャンネル1で生中継される予定だ。最後の大一番を控えたメンバーにasageiMUSEでは緊急取材を敢行。「大阪☆春夏秋冬 最後のインタビュー」で彼女たちは何を語ってくれたのだろうか。ツアーの印象やファンの反応を語ってくれたpart.1に続き、ラスト取材の第二幕をお送りする。
【大阪☆春夏秋冬】
2012年4月に結成。大阪を地元にリードボーカルMAINAの類まれなる歌唱力と、全員がダンススクール出身という高いダンススキルで、アイドル界に確固たる地位を築いてきた。「TIF2015」に初出場を果たした際には「TIFで見つかったアイドル」として話題を呼び、代表曲の「Let you fly」は他のグループにもカバーされるなど、アイドル界を代表するアンセムソングとなっている。
■ハチハチの時に見たフロアの景色はいつまでも忘れられません
――これまで10年間活動してきたなかで印象的だったライブやイベント、もしくは出来事などを教えてください。
YUNA 定期公演でX JAPANさんの「紅」を演らせてもらったことがありました(※編注:2018年9月24日 しゅかしゅん定期公演☆其の十三『紅に染まった秋』)。そのライブ中に一個ネジが外れる瞬間っていうか、自分のなかで限界を超えることができました。ブログにも書いたんですけど、そのライブが大きなキッカケになって、それ以降はライブをやってるなかでネジが外れるというか、そういう瞬間を感じる時があって。ファンにも<それを好き>って言ってくれる人がいたりだとか、ライブでしか出ない一面というのを見つけられたのがスゴい印象深いです。
MANA 自分のなかではレコーディングが結構大きくて、「SSFW」と「ガチ夢」の両方ですね。この二つがあったから、自分で「私がセカンドボーカルです」って自信を持って言えるようになりました。しゅかしゅんはもともとMAINAがワントップボーカルで、その他のパートは全員でユニゾンしたり歌い分けたりしていましたが、「SSFW」のレコーディングでは嬉しいことにプロデューサーさんが私の声をたくさん使ってくださって。その時に<MAINAの声に合わせることができている。そこが強みだと思うしそこを伸ばしたら良いと思う>と言ってくださってて、そこからはMAINAと二人で歌の練習をしたり、メンバーからも<ここはMANAが歌うべきやと思うで>って認めてもらえたりするようになったんです。
最初のうちは「セカンドボーカル」という自己紹介に、ファンや関係者の方から<自分で二番目って言うのやめたほうがいい>という声もありました。ファンにとってはどっちも一番だからって言ってもらえて、最近ではありがたいことに「メインコーラス」って言わせていただくことになりました。そういう過程を経て、自信と責任をもって自分の役割をまっとうしていると胸を張って言えるようになったのは、周りの方のおかげ。自分のなかで嬉しい宝物です
MAINA 最高のセカンドボーカルです。MANAで良かったって思います。一緒に歌えてよかった。
MANA めっちゃ嬉しい(喜)。MANAはひとりで歌うよりも、MAINAに合わせて歌うのが一番好きなんです。
EON やっぱり忘れられへんのが「ハチハチ」ですね(※編注:2015年8月8日に渋谷CLUB QUATTROで開催した初の東京ワンマンライブ)。こんなん言ったらファンの方に失礼かも知れないですけど、ステージから見た景色をはっきりと覚えているライブって少なくて、でもハチハチの時に見たフロアの景色はいつまでも忘れられんくて。こんな広い会場、絶対埋まらんやろって当時は思ってたんですけど、まさかTIFのおかげで満員になるなんて思ってもなかった。大阪☆春夏秋冬を認めてくれて、見に行ってやろうと思ってくれた人がこんなにおるんだっていうのがすごい自信にも繋がったし、あの景色は今でも忘れられないです。
RUNA 私は高校3年間、グループと学業を両立していた期間です。とくに高二~高三がめちゃくちゃ忙しくて、最近、昔のスケジュール帳を見返してみたら「え、こんなに忙しかったっけっ!?」てビックリしてメンバーにも教えたくらい。当時は毎日リリイベがあって、東京に行ってすぐ帰ってきてみたいなスケジュールを学校と両立していました。一番大変な時には丸一週間、夜行バスで生活してた時期があって、最終の新幹線に間に合わないので夜行バスで大阪に戻り、朝に着いてそのまま学校みたいな。そして学校が終わったら新幹線で東京に行って、また夜行バスで戻るという。だから1週間毎日、夜は夜行バスで過ごすみたいな時期がありました。
夜行バスに乗ってる時ってめっちゃいろいろ考えちゃうんですよ。みんなは東京に残ってるのに、自分は離れていくみたいな。でも学校もめっちゃ好きで楽しかったし、しゅかしゅんのライブも一回でも休みたくないという思いが強かったので、そこで根性がつきました。高校を卒業してからはしゅかしゅん一本で、しゅかしゅんのことだけ考えられることがすごい幸せやなって、あの高校3年間があったからこそ深く感じるようになりました。一つのことを頑張るというか、好きでいられるって素敵なことだなっていう風に感じています。
MAINA 私は大阪城ホールや横浜アリーナ、a-nationの長居スタジアムとか、めっちゃでっかいステージが印象に残ってます。小学生や中学生くらいの時からそういった大会場でライブをするイメージをずっとしてきてて、会場がパンパンになった状態で歌うことをイメトレしてたおかげで、なんか余裕やったんですよ。そういうステージに立つことって大阪☆春夏秋冬じゃないと絶対無理だったと思うし。
大阪城ホールはしゅかしゅんをやる前に、ダンスのショーで立ったことがあって、演出の先生が私のことを気に入ってくださって、ジャネット・ジャクソンの曲でセンターで踊ったのが一回目。そして二回目が大阪☆春夏秋冬として「MBS音楽祭2019」のオープニングアクトでした。そこから長居スタジアムとか横浜アリーナとか幕張メッセとか、めっちゃでっかいステージ立たさせてもらった時に毎回思うのは「自分いけるわ」って。めちゃめちゃ自信あるんですよ。しゅかしゅんじゃなかったら絶対そんな経験できてなかったですし、いつかはMAINAとして絶対ここ埋めたんねんみたいな、てか埋めるからって思ってるから。よく分からへん根拠のない自信をもらえました。
――これからは五人それぞれに人生の新しいステージに進むわけですが、今後について教えてください。
EON 私は「EON」の表記のままで、ソロで芸能活動していきます。いま気になっているのが、自己紹介で「大阪☆春夏秋冬の」って言わなくなること。5月3~5日には福岡の博多どんたくで「ベイサイドプレイス博多アイドル演舞台」のメインMCをやらせてもらうんですけど、そこで「大阪☆春夏秋冬の」って言わないということに実感が全然わかなくて、名前だけ言うんか? と思ってます。いきなり「EONです」って言って分かりますかね?
MANA やったらさ、「カジノエオンです」って言えば(※苗字が梶野)、最後が同じ「の」やから、違和感なく言えるんちゃう?
EON そんなわけあるか!(笑)
RUNA 私は自分がディレクションするヴィンテージショップの「TNly」(ティンリー)を始めます。5月11日、12日には大阪の堀江でポップアップストアもやりますので来てください! チェキも一緒に撮れますよ。
YUNA 私は「ヨシモリユウナ」名義でカメラマンとして活動します。昨年のクリスマスイブには広瀬香美さんのライブを撮影して、翌日のライブレポで写真を使ってもらいました。使っているカメラですか? キヤノン派です。
MAINA ソロアーティストの「MAINAMIND」として、5月1日には「ナイトクルージング」という楽曲の7インチアナログレコードをリリースします。自分の音楽活動以外にもアイドルに楽曲を提供したり、ライブの構成を手伝ったり、楽曲のプレゼンに参加したりと、いろいろやってます。5月にはソロや対バンを合わせて10本くらいライブが決まっていますし、けっこういろんなところからオファーをいただいています。今日もさっきまでマスタリングとミックスをしていて、曲もいっぱい作ってます。
MANA 私は芸能界を引退して一般人になります。でもメンバーとは近所だし、きっと一緒に遊んだりすると思います(笑)。
――それでは最後に、ラストライブへの意気込みをお願いします。
RUNA この日に最後の伝説を作りたいと思っています。全力で楽しみます。よろしくお願いします!
MANA この10周年のライブが、今までみんなと一緒に登ってきた階段の頂上だなって思っていて、その日を振り返ったら、まだ頑張れるなって思えるような、4月29日以降もずっとみんなの何かの糧になれるような、自分の糧になるような宝物な瞬間にしたいなと思ってますし、します。
YUNA 深くしゅかしゅんにかかわったきた人も、最後のライブだけを初めて見るという人も、その人の人生を肯定できるようなライブができたらいいなと思ってます。会場はライブハウスではないけど、「ライブってこれだな」っていうのをみんなに感じてもらえる一日にできたらなと思ってます。
EON 私が何歳になっても、人生を振り返ったときに「4月29日」が一生忘れられない日になると思うので、自分だけじゃなくてライブに来てくださった人が人生を振り返るときに「あのライブが一番良かった」って記憶の中のベストスリーに入るような、最高で最強のライブをお届けしたいです。
MAINA “終わらない歌”をあなたに訴えかけるので、最後までそういう歌と、ありがとうの気持ちを受け取ってほしいです。感謝の気持ちでいっぱいなので、最後までよろしくお願いします。
(カゲ)