【ちむどんどん】黒島結菜、朝ドラ特有の演出に疑問と照れを抱いていた!?

 そのシーンで彼女は、照れ隠しで少し笑っていたそうだ。

 NHK連続テレビ小説の「ちむどんどん」では5月2日~6日の第4週「青春ナポリタン」にて、ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が料理部の助っ人として活躍するシーンが描かれた。このなかで黒島が、とある場面の演出に疑問を抱いていたという。

 5月2日放送の第16回では、山原高校の同級生で料理部の部長を務める前田早苗(高田夏帆)から、助っ人に入るように頼まれた暢子。来たる北部産業まつりで「ヤング大会」が開催されることになり、地域の高校で料理の対抗戦を行うことから、料理上手な暢子に白羽の矢が立ったのだった。

 暢子と早苗が共同売店の軒先でヤング大会について話しているところに、早苗の父親で共同売店の責任者を務める善一(山路和弘)が耳寄りな情報を持ってきた。就職活動中の暢子が面接に行った内間食品の社員が、そのヤング大会に来場するというのだ。

「早苗から、会社の人にアピールする大チャンスとけしかけられた暢子は『優勝も就職も決めて、一石二鳥ヤサーー!』と絶叫。売店に背を向けて、空に向かって右腕を突き出していました。就職目指して力の入る暢子はさらに『シュシュシュッ!』との擬音もつけながら両手でパンチを繰り出していたのです」(テレビ誌ライター)

 この動きは朝ドラの番宣映像で何度も流されてきたおなじみのシーン。夢を追いかける暢子の姿勢を表しており、いかにも朝ドラらしい演出だと言えるだろう。

 ところが当の黒島はこのシーンについて、疑問を抱きながら演技していたというのである。それは5月6日に公式サイトで公開された限定映像の「黒島ラヂオ」にて、本人が明かしていたものだ。

「黒島は『一石二鳥ヤサー!』と叫んだ場面について、『それこそ朝ドラ特有の“アレ”だなって思うんですけど』との感想を口に。『だって普通に考えたら、誰もいないところに向かってアレしないでしょ!?』との疑問を露わにしていたのです。言われてみればたしかに、明後日の方向に向かって自らの想いを大声で口にするなど、普段の生活ではまずありえません。そうなるとこのシーンは、番宣に使いやすい映像作りをあえて狙ったものかもしれませんね」(テレビ誌ライター)

料理部のメンバーで雄たけびをあげるシーン。これは実生活でも十分にありそうな動きだろう。トップ画像ともに©NHK

 そんな疑問を抱きながら黒島は、「『??』があったけど、やってみようっていう感じで」との想いで演じていたことを明かしていた。

 ここで制作統括の小林氏は黒島に、そのシーンの出来について質問。すると黒島は恥ずかし気な口調でこう説明したという。

「黒島は『いやでもちょっと、若干照れ入ってる(苦笑)』と正直にコメント。続けて『照れが入っていた“かも”しれない』と繰り返し、“かも”のところを強調していましたね。その発言を踏まえながらあらためてそのシーンを確認すると、両手パンチの『シュシュシュッ』を繰り出した後に黒島自身も苦笑いしているように見えるのです」(前出・テレビ誌ライター)

 番組スタッフの大人たちを相手に堂々と、朝ドラ特有の演出に関する疑問を呈してみせた黒島。そんな図太さもまた、暢子を演じるにはピッタリの資質なのかもしれない。