【ちむどんどん】下地先生の「太陽にほえろ!」パロディに、時代考証ミスの指摘!

 下地先生には未来が見えていた!? さすがにそのパロディには無理がありすぎたのかもしれない。

 5月9日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第21回では、詐欺師に960ドルもの大金を持ち逃げされた比嘉賢秀(竜星涼)が、ハンバーガー店で大暴れ。取っ組み合いに音楽教師の下地響子(片桐はいり)が巻き込まれてしまうシーンがあった。

 下地先生は、ヒロインで次女の暢子(黒島結菜)や三女の歌子(上白石萌歌)が通う山原高校の音楽教師。この日は名護のサンセットバーガーで、ミュージシャンを招いてのミニコンサートを楽しんでいた。

 そこに来たのが、詐欺に遭ったことを知って頭に血が上っている賢秀。マスター(川田広樹)に詐欺師を紹介されていたことから、酒の勢いもあいまって「俺の金を返せ!」と迫り、取っ組み合いのケンカが始まることに。

 店員や客も巻き込んでの大立ち回りに、下地先生も「出ていきなさい!」と参戦するも、弾き飛ばされてしまう。ハデに転んだ下地先生は自分の顔に触れ、両手についたケチャップを見て「うわ~、血! 何ねこれ~!」と絶叫したのであった。

「このシーンには視聴者から《太陽にほえろだ!》《松田優作の名セリフじゃん》といったツッコミが続出。情報番組『あさイチ』(NHK)で恒例の朝ドラ受けでも鈴木奈穂子アナが『片桐さん劇場、先生劇場みたいな』と大笑いするなど、片桐が演じる下地先生の独壇場となっていました」(テレビ誌ライター)

「ちむどんどん」の公式ツイッターではこの場面に「そしてケチャップまみれの下地先生…」との解説を付けている。トップ画像ともに©NHK

 本家「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)で松田優作の演じる“ジーパン”こと柴田純刑事が殉職した場面は、未だにものまねの定番となっている超有名なシーン。手についた血を見たジーパンが「何じゃこりゃあ!」と叫んだのは台本にないアドリブと言われており、下地先生の「何ねこれ~!」にも視聴者からは<片桐はいりのアドリブでは?>との指摘があったという。

 だが今回、下地先生がジーパンの名シーンをパロったこの場面を巡っては、疑問の声もあがっているというのだ。

「ジーパンが亡くなった『太陽にほえろ!』第111話が放送されたのは昭和49年(1974年)8月のこと。それに対して『ちむどんどん』では現在、沖縄返還の前年にあたる昭和46年(1971年)が描かれています。つまり下地先生は未来のテレビ番組をパロっていたことになるのです。この『ちむどんどん』では物語の随所で詰めの甘さが指摘されており、今回のパロディについても時間軸がおかしいと批判されるのは致し方ないことでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 作中に昭和46年の沖縄には存在しなかったであろうアイテムが随所に現れる「ちむどんどん」。今回の「太陽にほえろ!」パロディも、そんな時代考証ミスのひとつだったのかもしれない。