これって、丸く収まったってことでいいの!? 視聴者も判断に迷っているようだ。
5月26日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第34回では、比嘉家の長女・良子(川口春奈)が、教員仲間の石川博夫(山田裕貴)と結婚することを決意する姿が描かれた。
前々回の放送で煮え切らない態度の博夫に見切りをつけ、熱烈に求婚してきた製糖工場の御曹司・喜納金吾(渡辺大知)との結婚を決断した良子。今回は金吾が両親を伴って比嘉家を訪れ、両家顔合わせとあいなった。
そこに現れたのが、良子への想いを断ち切れない博夫。実は妹の歌子(上白石萌歌)が「幸せじゃないならネーネーを止めてください」と博夫にけしかけており、アメリカ映画の「卒業」さながらに「良子さんを、僕にください!」と土下座したのであった。
「両家の顔合わせという大事な儀式を台無しにされたにも関わらず、何よりも“比嘉家ファースト”の母親・優子(仲間由紀恵)は博夫を責めるどころか、良子に対して『ちゃんとお返事しなさい』とけしかける始末。案の定、良子は金吾に対して『あなたと結婚することはできません』と言い放ち、『私は石川博夫さんと結婚します』と宣言したのでした」(テレビ誌ライター)
良子の心変わりは、比嘉家の視点で見れば大事な娘の選択を尊重した形だろう。一方の喜納家にしてみれば、大事な息子の縁談をよそ者に邪魔されたあげく、嫁に迎えるはずだった良子に間際で裏切られる形となった。
それでも金吾は偉かった。最愛の人を目の前でさらっていった博夫を殴るわけでもなく、自分を裏切った良子を責めるわけでもなく、博夫の目を見て「良子さんを、良子さんを、必ず幸せにしてください!」と、誰よりも良子の幸せを願う姿勢を見せたのである。
「そんな金吾の姿に、多くの視聴者は《金吾がいい人すぎる!》《金吾の台詞にちむどんどんした》などと、金吾を応援する声が続出。最後までラブ&ピースの態度を貫き通した姿に、《良子よりいい人を見つけて幸せに結婚してほしい》とのエールが送られていました。良子からはフラれてしまいましたが、それが金吾にとっては最善だったと視聴者側は確信していたのです」(前出・テレビ誌ライター)
喜納家が走り去った後、母親の優子は何か言いたげな良子に対して「謝らないでいいよ」と優しく語り掛けていた。しかし、博夫との結婚には納得していたとしても、両家顔合わせの場をめちゃくちゃにした事実は重いはず。喜納家の顔に泥を塗りまくった態度を咎めるのが母親の務めというものではないだろうか。
「制作陣はいったい何を描こうとしているのか。このドタバタ劇に比嘉家の家族愛を感じたり、良子の幸せを願うような視聴者はほとんどいないのが実情です。金吾との縁談を断るにせよ、できるだけ角の立たない断り方というものがあるはず。騒動の後に残ったのは、比嘉家がいかに身勝手な人ばかりなのかという驚きと呆れだったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
そんな比嘉家と結婚しようものなら、どれほど良子のことが好きであろうとも、金吾の幸せは長続きしなかったはず。多くの視聴者はそう確信し、金吾にふさわしい女性が現れることを切に願っているようだ。