【ちむどんどん】歌子の治療で東京を希望?やはり比嘉家は「金より人」を選ぶのか

 なんでいきなり東京に? 多くの視聴者が首をひねっていたようだ。

 6月13日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第46回では、比嘉家の母親・優子(仲間由紀恵)がついに、病弱な三女の歌子(上白石萌歌)を病院に連れていく決心をした場面が話題になった。

 子供のころから身体が弱く、すぐ熱を出してしまう歌子。高校を卒業して地元の運送会社に勤めたが、どうしても休みがち。お見舞いに訪れた同僚の花城真一(細田善彦)は、社長が「できれば明日からでも出勤してもらいたい」と言っていると伝えつつ、彼自身は「待ってるから焦らないでねって伝えてくださいね」とじっくり療養することを希望している様子だ。

 そんな花城を見て、長女の良子(川口春奈)は歌子に「ただの同僚のことあんなに心配する? 今度会社に行ったら告白されるかもよ」とけしかけることに。歌子は「やめて~」と口では言うものの、その表情はなんだか嬉しそうだ。

「するとある日の夜、母親の優子は東京にいるヒロインで次女の暢子に電話をかけ、『実は歌子に大きな病院で検査を受けさせたくて』と告白。そんなに具合が悪いのかと心配する暢子に、急に悪くなったわけではないと言いつつも、『診療所の先生もちゃんとした設備のある病院で診てもらったほうがいいって』と伝えました。そのうえで『東京でどこかいい病院、探してくれない?』と依頼し、暢子は顔の広いオーナーに聞いてみると約束。最後に優子は『もっと早く、ちゃんとした検査を受けさせてれば良かったと後悔しているさ』と、悔恨の念を口にしていたのです」(テレビ誌ライター)

 あまりに遅い判断とは言え、やっと歌子が診察を受けられるのかと視聴者は安堵。これで体調が戻ってほしいとの期待が高まっているようだ。

東京で働く姉の暢子と幼馴染の智も、歌子の体調を心配していることだろう。トップ画像ともに©NHK

 その一方で、優子が「東京でどこかいい病院」と希望したことにはまたもや、批判の声があがっていたという。

「片田舎の沖縄・山原村に比べれば、那覇だって立派な大都会。まずは那覇の病院で診てもらうのが先でしょう。当時、まだ琉球大学に医学部は設置されていなかったものの、琉球大学保健学部附属病院はすでに存在しており、那覇でも十分高度な診察は受けられたはずです。それが東京となれば移動の費用や日数だけでも大変なはず。当時はまだフェリーがメジャーでしたから、身体の弱い歌子が2泊3日の航海に耐えられるかどうかも問題となってきます」(沖縄に詳しいライター)

 ただ、理屈よりも情を優先させてきたのが比嘉家の常というもの。2回前の第44回では長男の賢秀(竜星涼)から15万円もの大金を無心され、良子が猛反対するなか、優子は息子を信じる気持ちのあまり、こっそりと送金していたものだ。

 そして今回も、大きくのしかかっているはずの借金問題より、自分たちの情を優先させるのが比嘉家の流儀だというのである。

「優子は那覇の出身ですが、これまで作中に那覇の親戚が出てきたことはありません。付き合いがなくなっているのか、それとも戦災に見舞われたのかは不明ですが、おそらく那覇にはあまり縁がなさそう。それならばむしろ、次女の暢子がいる東京のほうがまだ安心できるのかもしれません。しかも暢子が働いているイタリア料理店『アッラ・フォンターナ』の大城房子オーナー(原田美枝子)は歌子や暢子にとって父方の大叔母ですから、それも頼りになると踏んでいるフシがあります。ともあれ優子としてはお金の問題よりも、信頼できる人がいる東京を選ぶのがごく自然な選択なんでしょうね」(前出・テレビ誌ライター)

 視聴者のあいだでは、暢子を追って上京した幼馴染の砂川智(前田公輝)と再会することで、歌子も元気になるのではと期待する声もあるようだ。もし東京で元気になれば、密かに夢見ている歌手への道が拓ける可能性も。「金より人の縁」を大事にする優子の判断は、意外にも正解なのかもしれない。