【ちむどんどん】暢子がついに独立開業か?どうしても気になる「独立できない時期」とは

 そのセリフに、次の展開を予想した視聴者も多かったようだ。

 7月8日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第65回では、本編終了後に次回予告を放送。第14週「渚の、魚てんぷら」ではどうやら、ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が独立に向けて動き出すようだ。

 次回予告では大量のお弁当を作っている様子が映り、暢子の声で「まさかやー、うちが独立?」と驚いている様子のセリフが流れていた。これはもしは、暢子が弁当店を開業するという前フリなのだろうか?

「弁当箱が並べられたシーンはおそらく、暢子が下宿している沖縄料理店の『あまゆ』の店内でしょう。背後に緑色の冷蔵庫が映っており、扉に貼られた丸いステッカーはあまゆのそれと一緒です。その前には鶴見沖縄県人会による沖縄角力大会のシーンもありましたから、大会用に大量のお弁当を作っていたのかもしれません」(女性誌ライター)

 ただ暢子が、現在勤めているイタリア料理店の「アッラ・フォンターナ」から独立する可能性は決して小さくない。彼女は大城房子オーナー(原田美枝子)の姪孫であり、オーナーには暢子とそのきょうだい以外に血の繋がった肉親がいないため、暢子のことを娘のように可愛がっている面もある。

 とは言え、決して教養があるとは言えない暢子に、銀座の一流店であるフォンターナを継がせるのはさすがに無理のあるところ。それならむしろオーナー自身やフォンターナが元気なうちに、のれん分けの形で店を持たせるほうが現実的ではないだろうか。

「イタリアンの経験しかない暢子に、他業種の飲食業は難しいはず。ふだんから『あまゆ』の厨房を手伝っているので沖縄料理店なら可能性もありそうで、おそらくはそのどちらかでしょう。ただ暢子が独立する場合に気を付けたいのは、その時期が限定されるということです。ここを間違えてしまうとまたもや本作には『設定が甘い!』との批判が寄せられてしまうでしょうね」(前出・女性誌ライター)

 その時期とはいったい何のことだろうか? それは暢子が独立するにあたって必要となる「国家資格」の問題だという。

「独立するならば暢子は調理師免許を取得する必要があります。免許がなくても料理人として働くことはできますが、飲食店を開業するには食品衛生責任者となる必要があり、そのためには調理師免許が必須だからです。上京して6年目の暢子は『2年以上の実務経験』という条件をクリアしており、試験を受ければ調理師免許を取得できるのは確実。ただその試験が年に1回しかないことが、物語にとって大きなネックとなってきそうです」(前出・女性誌ライター)

フォンターナでシェフ代行も務めた暢子だが、この場合も調理師免許の取得は必須ではない。トップ画像ともに©NHK

 都道府県によっては年2回受験できるケースもあるが、通常は年1回というケースがほとんど。東京都における令和4年度の試験は10月29日に実施されるが、願書の受付は5月9日から6月3日までと試験より4カ月以上も前に締め切っているのは見逃せないポイントだ。この状況は作中の昭和53年でもさほど現在と変わらなかったことだろう。

 暢子の場合、作中では昭和53年の初夏となっており、その年の試験を受けることはおそらく無理。そうなると彼女が調理師免許を得られるのは最短でも翌年の秋ということになり、1年以上も待たねばならないのである。これでは独立話が持ち上がったとしても、相当な待ち時間が必要となってしまうのだ。

「ここは『ちむどんどん』お得意のパターンが発動すべき局面でしょうか。ジョン・カビラのナレーションで『物語の舞台は昭和○○年を迎え』と、アッという前に時が過ぎ去るというものです。暢子を巡る恋バナは2週間経っても結論の出る気配がありませんが、この調子だと先に独立を果たしてしまうかもしれませんね」(前出・女性誌ライター)

 初登場時は高3の設定だった大人・暢子は、あっという間に24歳を迎えるところまで年齢を重ねていた。この調子だと第14週には黒島の実年齢である25歳もサクッと超えてしまうのかもしれない。