あれ、この人って青森出身で銀座のママだったよね? そんな勘違いが続出していたようだ。
7月22日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第75回では、ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が新聞記者の青柳和彦(宮沢氷魚)と結婚の約束を交わしたところで一週間のフィナーレを迎えていた。その本編終了後に映し出された次週予告にて混乱する人が少なくなかったという。
「海岸で固く抱きしめあう暢子と和彦の映像で本編が終わると、次週予告ではワンピース姿の妙齢女性が笑顔で『結婚は、許しません』と宣言。暢子が『お義母さん』と呼びかけると『ホワーッ!!』と素っ頓狂な声をあげながら席を立つ姿が描かれました。どうやら和彦の母親が息子と暢子の結婚に反対していたようですが、その母親を演じるのが鈴木保奈美だったことで、混乱の元となっていたのです」(テレビ誌ライター)
8月に56歳となる鈴木には3人の娘がおり、1999年生まれの長女はいまや23歳に成長。和彦という28歳の息子を持つ母親の役にはピッタリの存在だろう。ちなみに和彦を演じる宮沢氷魚の母親はタレントの光岡ディオンで、鈴木の1歳だけ年上ゆえに、年齢的にはまさにドンピシャだ。
だが次週予告で鈴木がアップになると、なんとも言えない違和感を抱く視聴者も続出したという。和彦の母親はここで初登場のはずなのだが、なぜか既視感を漂わせていたというのだ。それは決して鈴木が女優として長く活躍しているからではないというのだが…。
「鈴木は7月20日にスタートしたドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)にて、銀行の重役を夫に持つ上原里美役で出演。同じような髪型で同じような服装をしたリッチな家庭のママを演じていたことから、同じキャラが朝ドラにも登場したように見えてしまっていたのです。その里美は青森の津軽出身で、前職は銀座のホステス。愛人となった銀行員の後妻に収まったものの、長男と長女からはよそ者扱いされているという役どころでした」(前出・テレビ誌ライター)
両ドラマで演じている母親は、バックグラウンドこそ「リッチな家の後妻」と「大学教授の夫に先立たれた未亡人」という違いはあれど、見た目はそっくり。実の息子が一人いる点も一緒だ。
それもあって「ちむどんどん」の次週予告を見た視聴者が、鈴木の演じる母親に<銀座のホステス><津軽出身>といった別作品の属性を感じてしまったのも無理のないところ。しかも両作品の順番がなんとも皮肉だったのである。
「朝ドラでは相当早い段階から撮影を進めており、鈴木に関しても『家庭教師のトラコ』よりもずっと早い段階に『ちむどんどん』の和彦ママ役を撮っていたはず。ところが放送の順番が逆になってしまったことから、和彦ママ役のほうにとってつけた感が生じてしまったのです。そんなタイミングの不運も『ちむどんどん』の“持ってなさすぎ感”を浮き彫りにした感じですね」(前出・テレビ誌ライター)
果たして和彦ママは「家庭教師のトラコ」の影を払しょくできる存在感を発揮できるのか。ひとえに脚本の力にもかかっていそうだが、そう聞くと「期待感ゼロ」と感じてしまう視聴者も少なくないことだろう。
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