【六本木クラス】麻宮葵は長屋会長に似ている?どうしても気になる「原作からなくなったセリフ」とは

 ほんのちょっとの違いだが、視聴者が受ける印象は大きく変わることになったはずだ。

 8月18日放送のドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)第7話では、外食大手・長屋ホールディングスの長屋茂会長(香川照之)が、麻宮葵(平手友梨奈)の引き抜きを図ることとなった。

 葵は勤務する居酒屋「二代目みやべ」の社長で主人公の宮部新(竹内涼真)にぞっこん。マネージャーとして店を切り盛りしながら、長屋会長の講演会にあえて参加し、質問してみせるという大胆な行動に出ていた。

「葵は一軒の小さな居酒屋が長屋に勝つことは可能かと質問。すると長屋会長は若者の勢いは好きだと前置きしつつ、『私の目が黒いうちは、絶対に不可能』と豪語していました。このやり取りをきっかけに、長屋会長が葵の存在を大きく意識することとなったのです」(テレビ誌ライター)

 長屋会長は葵を食事に誘い、長屋への移籍を提案。その誘いを断った葵は、長屋会長も新に興味津々なんですねと皮肉ったうえで、「社長じゃなく私に興味が出てきたら、その時また声を掛けてください」と挑発的な言葉を返していた。

 後日、自分の部下で新の恋人的な存在でもある楠木優香(新木優子)から、二代目みやべの現状について報告を受ける長屋会長。ここで優香は長屋会長が葵の引き抜きを図っていることを知ることに。その場面にて長屋会長が口にした独り言に、大きな意味が込められていたというのである。

「長屋会長は葵との会話を思い出しながら『麻宮葵、私と同類だな』とつぶやいていました。このセリフ、原作にあたる韓流ドラマの『梨泰院クラス』では、『セロイとは合わない。俺と同類だ』となっていたのです(※セロイは新に相当する主人公の名前)」(前出・テレビ誌ライター)

葵の引き抜き工作を図る長屋茂会長。トップ画像ともに©テレビ朝日

 本作は梨泰院クラスのリメイク作ゆえ、本来なら長屋会長は「新とは合わない」と前置きすべきところ。ところが「六本木クラス」ではその言葉が省略されていたのだ。

 ほんのちょっとの違いではあるが、このセリフがあるとないでは、長屋会長の言葉も意味が変わってくるというもの。その違いこそが「六本木クラス」らしさを際立てているのではないだろうか。

「原作では『セロイとは合わない』と前置きすることで、会長がチョ・イソ(葵に相当)のことを自分サイドの人間だと認識していることが強調されています。それに対して『六本木クラス』では会長に、新から葵を奪い取ってやるとの意思が感じられるのです。会長と葵の会食シーンでは、葵の艶っぽい唇を見ながら会長が肉を食べる様子がアップになっていました。これも原作にはない描写であり、会長を魅了する葵の魅力を浮き彫りにしていたのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 両作品とも葵(イソ)が非常に優秀な人物として描かれていることに違いはないが、「六本木クラス」では葵が放つ「女の魅力」がより強調されている。それは葵を演じる平手自身の魅力でもあり、視聴者を惹きつける原動力になっているのは明らか。葵を巡る会長と新の争いが、ますます熱を帯びていくことは間違いなさそうだ。