【ちむどんどん】矢作の妻を演じる藤間爽子に「彼女が主役のドラマを観たい」の声!

 ヒロイン顔負けの存在感に感心する視聴者も続出していたようだ。

 8月26日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第100回では、失踪していた矢作知洋(井之脇海)が、かつて勤務していた東京・銀座のイタリア料理店「アッラ・フォンターナ」を訪れる姿が描かれた。

 矢作はオーナーの大城房子(原田美枝子)に反発し、仲間をそそのかしてフォンターナから集団離職。さらには権利書を盗み出し、それを担保に借りた金で自分の店を開業していた。しかし腕はいいものの性格に難があるせいか、店は長続きせずツブれることに。矢作は離婚届を書き残して家を飛び出し、流浪の生活を送っていたのだった。

 そんな矢作のことを心配し続けていたのが、妻の佳代(藤間爽子)。二人はレストランのコックとウェイトレスとして知り合い、矢作が一目惚れ。その勢いでまだ19歳だった矢作は佳代と結婚していた。矢作の失踪後、佳代は房子に相談していたようで、この日はフォンターナで矢作を待ち受けていたのである。

「厨房から現れて矢作を驚かせた佳代。落ちぶれた様子の矢作を見て『よかった…』とすすり泣きしながら語り掛ける姿は真に迫っていました。続けて佳代は『やり直そう、もう一度。頑張って!』と矢作を鼓舞。『私のために、あなた自身のために』と語る表情は、この人ともう一回やり直すという決意に満ちあふれていたのです」(テレビ誌ライター)

 テーブルの上に矢作が書き残した離婚届を広げ、「勝手にこんなものを置いていなくならないで」と叱責する佳代。矢作の目を見つめながら「あなたがどれだけ料理が好きか、私が一番よく分かっている」と声を張り上げた佳代は矢作の手を掴み、絞り出すような声で「もう一度、料理人になってください」と頭を下げたのだった。

「ちむどんどん」では存在感にあふれた演技を見せてくれた。藤間爽子公式インスタグラム(@fujimasawako_official)より。

 夫の矢作に対する想いを全身からにじませる佳代を、真っ直ぐに演じてみせた藤間。視聴者からは<ただ者ではない><惹きつけられっぱなしだった>と、その演技を激賞する声が続出だ。なかには井之脇海と藤間爽子の夫婦を主役に据えたドラマが観たいという声すらあがっていたのである。

「この場面ではヒロインの青柳暢子(黒島結菜)がすっかり引き立て役になっていました。暢子を演じる黒島も演技力には定評があるものの、本作での暢子は深みのある演技を求められる場面が少なく、キャラの薄っぺさばかりが目立つことに。それもあって藤間の演技力がさらに際立っていたのです。その存在感を目の当たりにすれば、彼女がヒロインの作品を観てみたいという声が広まるのも当然でしょう」(テレビ誌ライター)

 祖父が人間国宝という芸能一家に生まれ、女優と並行して日本舞踊家としても活躍している藤間。昨年7月期のドラマ「ボイスII 110緊急指令室」(日本テレビ系)ではDV気質の男と交際している女性警察官を演じ、暴行を受ける場面では迫真の演技が話題になったものだ。

 まだドラマや映画の主演作はないものの、今回の妻役を見ても分かる通り、その存在感や演技力はすでに主役級。女優としてのデビューは2017年上半期の朝ドラ「ひよっこ」だったという藤間が、今後の朝ドラでより重要な役柄を演じる姿に、期待も高まるというものだろう。

※トップ画像は©NHK