【ちむどんどん】作者の羽原大介氏、朝ドラと並行して「借金、三姉妹、沖縄」がテーマの舞台を手掛けていた!

 ぜひ良い作品になることを期待したいものだ。

 視聴者からの批判が絶えることのないNHK連続テレビ小説の「ちむどんどん」。時代考証に不備が多く、重要なテーマである料理に関してもおかしなシーンが続出しているとの指摘がやむことはない。

 8月26日放送の第100回でも、料理に関する批判が寄せられることに。念願の沖縄料理店を開業することになったヒロインの青柳暢子(黒島結菜)は「パパイヤイリチー」を作っていたが、材料の青パパイヤには子宮収縮の恐れもある成分が含まれており、妊婦に食べさせてはいけないことは沖縄では常識だという。

 ところが暢子は妊娠2カ月。開業と妊娠が重なったことから、信頼できる料理人を雇うように勧められていたのだが、その暢子が自らパパイヤイリチーを作るとはどういうことなのか。作中では暢子が「妊娠中は食べないほうがいいとも言うんですけど」と説明はしていたものの、開業前ゆえ自家消費する可能性も高く、もはや描いてはいけない場面だったとさえ言えるのではないだろうか。

 このように100回目を迎えてもなお、おかしな場面が続出する「ちむどんどん」。その放送が続く裏では、本作を手掛ける脚本家の羽原大介氏が、自ら立ち上げた劇団の旗揚げ公演を開催するという。

「羽原氏が立ち上げた劇団『羽原組』は9月13日~19日に東京・赤坂で全11回の旗揚げ公演『DOWNTOWN STORY』を上演する予定。キャストには『ちむどんどん』で金城トミを演じるしるさ(※トップ画像)と、我那覇良昭役の田久保宗稔も名を連ねています。朝ドラと並行というタイミングには『ちむどんどん』の勢いに乗りたいという意図もありそうですが、あまりにも『ちむどんどん』が不評なことから、目論見通りにはいかないかもしれません」(芸能ライター)

 SNS上では、羽原氏が旗揚げ公演に注力するあまり「ちむどんどん」に向ける熱量が削られているのではと怪しむ声も散見される。もっともそれは大ベテランの羽原氏に対して失礼というものだろう。

 ただ、旗揚げ公演の内容に関しては別の観点から驚きの声もあがっているようだ。8月24日にはフライヤー(チラシ)の画像を解禁。作品の内容が書かれている裏面も公開しているが、その内容に注目すべき点があるというのだ。

「チラシによると物語の舞台は平成元年の東京下町。バブル景気とは無関係の貧乏三姉妹が、借金返済のために玉の輿に乗る大作戦を計画する物語のようです。この時点で“貧乏三姉妹”と“借金”という『ちむどんどん』にも共通する要素の存在が分かります。しかもスタッフ欄には『沖縄ことば指導』の文字もあり、ストーリーには沖縄も絡んでいる様子。もはや『ちむどんどん』のスピンアウト作品さながらの設定ではないでしょうか」(前出・芸能ライター)

羽原組・旗揚げ公演のチラシ。しるさと田久保は羽原氏が2001年に立ち上げた劇団「昭和芸能舎」に在籍していた。

 この羽原組、4月27日に旗揚げがアナウンスされ、その時点ですでに旗揚げ公演のスケジュールも決まっていた。羽原氏は当時、「2022年9月、演劇自主製作を再始動します!(誰にもリクエストされてませんが(^^ゞ)」とツイートしており、自ら「ちむどんどん」の設定に寄せた舞台を構想していたのかもしれない。

 ともあれ「ちむどんどん」のファンとしても、羽原組の旗揚げ公演には成功してほしいところだろう。ただ公演チケットの動きは重いようで、抽選先行が終了して一般販売がスタートした現時点でも全日程に空席がある状況。8月29日時点では全11回のうち「余裕あり」が2公演、「残席あり」が9公演で、「残席わずか」はまだない状況となっている。

 もし「ちむどんどん」が大ヒットしていたら、旗揚げ公演のチケットがソッカン(即日完売)していた可能性すらあったかもしれない。ともあれ本番に向けて厳しい稽古を続ける演者たちの努力が報われることを祈念したいものだ。

※トップ画像は©NHK