THE RAMPAGEも「カッケー!」とべた褒め、前田公輝は砂川智より轟洋介のほうがハマり役だった?

 この二人を同じ俳優が演じているとは、見ている側としてもなかなか信じられないのかもしれない。

 映画「HiGH&LOW THE WORST X(クロス)」が9月9日に全国公開されるのに先立ち、前田公輝が演じる鬼邪高・全日制の轟洋介による鬼気迫るアクションの現場写真が公開された。

 轟(前田)は2015年放送のドラマ「HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.」(日本テレビ系)シーズン2で初登場し、鬼邪高・定時制で頭を張る村山良樹(山田裕貴)とタイマンで対戦。惜しくも敗北するも、高い身体能力やアクションが大きく注目されていたものだ。

 そんな前田と山田のタイマンと聞けば、ピンとくる人もいることだろう。それのそのはず、この二人は放送中のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」にて、義兄弟になりそうな仲として共演しているのである。

「山田は沖縄・名護の小学校に勤める教員の石川博夫を演じており、一方の前田は食品卸会社を営む砂川智役で出演。博夫は比嘉家の長女・良子(川口春奈)と結婚し、智は次女でヒロインの暢子(黒島結菜)にプロポーズして玉砕するも、現在は三女の歌子(上白石萌歌)といい感じになっています。このままいけば、博夫と智は義兄弟になることでしょう」(テレビ誌ライター)

 その智を巡っては、暢子から妹の歌子にあっさりと乗り替える姿に賛否両論が渦巻いているほか、直情的すぎる性格も短所の一つ。仕事熱心なところは評価できるものの、暢子や歌子のことになると途端に周りが見えなくなってしまい、誰にでもすぐ突っかかるという欠点の持ち主だ。

 そんな智を演じているせいなのか、「HiGH&LOW」シリーズなど他作品での前田を知らない視聴者のあいだでは、智と前田を同じようなタイプの人物だと勘違いしてしまう傾向も否めないという。

鬼気迫る表情を見せる轟洋介。この役柄こそ前田公輝の魅力を全開にしているというファンも多いことだろう。©2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 ©髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

 しかし前田はもともと「天才てれびくんMAX」(Eテレ)のてれび戦士として活動し、成人後は俳優として数多くのドラマや映画で活躍。舞台やバラエティもこなすなどその活動範囲は幅広い。ところが現在では「暢子にフラれた砂川智」が前田の代名詞的な役柄になってしまっているのである。

「そんな前田をアシストするためなのかか、映画での共演者が彼を大いに持ち上げる場面がありました。9月2日深夜放送の情報番組『夜バゲット』(日本テレビ系)では、THE RAMPAGEの川村壱馬と長谷川慎が『轟、ヤバかった』と前田の演技を激賞。前田の演じる轟が眉間にシワを寄せる場面について『ファンみたいにずっと「うぉー、カッケー!」って見てました』とベタ褒めしていたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 日本テレビとしては大事に育ててきた「HiGH&LOW」シリーズの主要キャストに、よもや「ちむどんどん」のせいで変な悪評が付くとは思いもよらなかったはず。そこで映画公開を機に、軌道修正を図った形だったのかもしれない。

※トップ画像は©NHK