【舞いあがれ!】細かい描写に感心!第1回で示した「ちむどんどん」との共通点と違いとは

 やっぱりしっかり作られてるわ。そう感じた視聴者も多かったことだろう。

 2022年度下期のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」が10月3日にスタート。町工場が集積する大阪・東大阪市を舞台に、ヒロイン岩倉舞(浅田芭路)の小学生時代が描かれた。その第1回に意外にも、前作「ちむどんどん」との共通点が見られたというのである。

「驚いたのは、ヒロインの舞が原因不明の症状で発熱しがちだということ。作中では舞が『病院でいっぱい検査したんや。けど何で熱出るんかお医者さんにも分からへんねって』と語る場面があり、これは『ちむどんどん』の三女・比嘉歌子(上白石萌歌)とまったく同じ症状です。しかも布施愛織が演じていた歌子の幼少時は小3で、舞と同い年。こんなに設定が似通うとは思いませんでしたね」(テレビ誌ライター)

 果たして舞の症状は今後、解明されていくのか、もしくは成長と共に克服できるのか。よもや「ちむどんどん」最終回のように家族が祈ることで治ってしまうようなトンデモ展開にならないことを期待したいものだ。

 その一方で「舞いあがれ!」では、視聴者が感心する場面がいくつも見られたという。それは様々な「考証」がしっかりしていることだった。

 第1回の舞台は1994年の東大阪市。朝ドラの時代感覚で言えば<わずか28年前>であり、当時の世相を覚えている視聴者も少なくないことだろう。そんな時代性を本作ではしっかりと再現していたというのである。

「感心したのは母親の岩倉めぐみ(永作博美)に故郷の五島列島から送られてきたハガキです。貼られていた切手は50円の普通切手で、これは平成6年(1994年)に発行された『メジロ』。まさに当時、一般に流通していたものとなります。そして郵便番号はまだ3ケタだった『577』。東大阪市には577、578、579と3種類の郵便番号が付番されていましたが、町工場が集積している旧・布施市の地域がまさに577。舞の実家はいかにも東大阪らしいねじ工場であり、しっかりと時代考証できていることを実感できました」(前出・テレビ誌ライター)

舞が眺めていたハガキ1枚にもしっかりと考証が加えられていた。トップ画像ともに©NHK

 その考証に関しては、クレジット表記にねじ製造考証、東大阪町工場考証、医事考証、パイロット考証と4人もの担当者が名前を連ねていた。第1回ではさっそく町工場が連なる街並みが映し出されており、東大阪の地元民にとっては見慣れた光景に違いない。

 次回の第2回では舞が病院に行き、医師から環境を変えるように勧められるという。原因不明の発熱として医者もさじも投げた歌子のケースとは異なる展開となっており、これなら視聴者も納得しながら物語に寄り添っていくことができそうだ。