【舞いあがれ!】東大阪を徹底的にリスペクト、小学校から商店街まで現地ロケの場所をNHKが明かしていた!

 こんな光景を見せられたら、誰しもがこの街を好きになるに違いないだろう。

 放送中のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」では、ヒロインの岩倉舞(浅田芭路/福原遥)が暮らす大阪・東大阪市が舞台となっている。日本を代表する町工場の街として知られる東大阪ゆえ、舞の家も祖父の代から営む「岩倉螺子製作所」という町工場が家業だ。

 その「舞いあがれ!」ではロケを多用しており、セットに頼らないリアリティあふれた絵作りを心掛けているようだ。そのこだわりに感心する視聴者も少なくないという。

 10月20日放送の第14回では、特殊ねじの試作品作りで舞の父親・浩太(高橋克典)や従業員の笠巻久之(古舘寛治)らが奮闘。作業に没頭している工場はセットではなく、貴重な機械ごと東大阪のねじ工場を休日に借りての撮影だったという。これは放送終了直後にドラマの公式ツイッターで明かされていた。

「朝ドラに限らずドラマでは、熱心なファンがロケ地探しを行い、ネット上で公表しているもの。ところがこの『舞いあがれ!』では当のNHK側が積極的にロケ地を明かしているのです。それは撮影に際して《東大阪にお世話になっている》という姿勢の表れではないでしょうか」(テレビ誌ライター)

 舞たちが通っている小学校は、2018年に閉校した東大阪市立三ノ瀬小学校の校舎を使っている。ここでは10月15日に「“舞いあがれ!”第2週パブリックビューイングin東大阪」が開催され、ヒロインの福原遥や笠巻役の古舘も参加していた。

 この場所を訪れれば地元の住人でなくても、そこがロケ地だと分かるはず。10月21日放送の第15回では、その校庭で舞たちが模型飛行機飛ばしを楽しんでいたばかりだ。

「古書店のデラシネは『ゆうゆうタウン商店街』にあることが作中でも示されています。その商店街もやはり東大阪市内にあり、NHK公式サイトでは10月11日付および10月14日付の『関西ブログ』にて、お好み焼うめづの店主夫婦を演じる山口智充とくわばたりえが同商店街を訪れた様子を紹介。そのブログにはしっかりと『連続テレビ小説「舞いあがれ!」の撮影が行われた「ゆうゆうタウン商店街」』と明記されているのです」(前出・テレビ誌ライター)

デラシネの店内はさすがにセットだが、商店街の中に実在しているように感じられる演出はさすがだ。トップ画像ともに©NHK

 同様に関西ブログには、東大阪市内でもとくに町工場が集積している高井田地区を紹介。舞は工場の合間を縫うように通学しているが、そのロケはこの高井田地区にて行われていたのである。

 第15回で時代設定が2004年に進んだ時には、高速道路の大きなジャンクションが映し出されていた。それは阪神高速13号東大阪線と近畿自動車道が交わる「東大阪ジャンクション」だ。その雄大な風景にドローン撮影を想起した視聴者もいたことだろうが、実はこの映像、東大阪市役所の展望ロビーから映した可能性が高いのだから驚きではないか。

 地上100メートルから見下ろす東大阪の街並みはまさに絶景で、作中に登場した東大阪JCTは、夕方から夜にかけて実に美しい姿を見せてくれる。その夜景は「日本夜景遺産」に登録されているほどだという。

 なおNHK側では明かしていないが、浪花大学に向かう舞が歩いていた桜並木は、恩智川の遊歩道だ。ここは近鉄奈良線の東花園駅と瓢箪山駅の中間にあたり、生駒山が左奥に見えていることから、北側からの眺めであることが分かる。ここも東大阪市民にはおなじみの桜のスポットとして人気を博しており、どうやら桜の時期には早くもロケに入っていたのかもしれない。

 このように、徹底的に東大阪にこだわった画を見せてくれている「舞いあがれ!」。NHKによる情報提供はまるで、聖地巡礼をしてくれと言わんばかりだ。その際には地元で暮らしている人々にご迷惑を掛けないような配慮が求められることは言うまでもないだろう。