【舞いあがれ!】舞が冬子の代役パイロットに?その可能性を予見させた二人のツーショとは!

 何気ないシーンにも、深い意味が込められていたようだ。

 10月27日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第19回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が所属する人力飛行機サークル「なにわバードマン」が、テストフライトに挑む様子が描かれた。そこで発生したアクシデントに、今後の展開が暗示されていたという。

 子供のころから飛行機が好きで、航空工学を学ぶために浪花大学に進学した舞。なにわバードマンに入部した際には2回生でパイロットの由良冬子(吉谷彩子)から厳しく当たられる場面もあったが、舞が翼づくりに熱心に取り組んでいる姿が評価されたのか、いつしか二人はお互いに信頼を深めていた。

 冬子は日々、食事制限とトレーニングを重ね、体重減少と筋力アップに励んでいた。そして迎えたテストフライトの日。舞にとっては人力飛行機の「スワン号」が進空するのを見る初めての機会だ。ところがここでアクシデントが発生したのである。

「冬子の『3、2、1、ゴー!』という掛け声に合わせ、機体を支えている部員たちは全力疾走。手を離すとすぐにスワン号はふわりと浮き上がり、走りながら追いかける舞は『飛んだ!』と嬉しそうな表情です。ところが機体は徐々に滑走路の中心線を外れて左側へとズレていくことに。衝撃音に驚いた舞たちが慌てて駆けつけると、スワン号は滑走路から外れた左側に不時着していたのでした」(テレビ誌ライター)

 接地の衝撃で主翼の左翼端は脱落。今回のラストシーンではまだコックピットの様子は分からないものの、発泡スチロール製のフェアリングはおそらく大破していたことだろう。パイロットの冬子はヘルメットこそ装着しているものの、ほぼ骨組みだけの機体に乗員を守る機能は装備されておらず、大怪我を負っていても不思議はなさそうだ。

 だがスワン号は冬子の体格に合わせて設計されており、しかも設計者で3回生の刈谷(高杉真宙)によると、「スワン号が飛ぶ日の冬子の体重と体力に合わせて設計してある」という。本来は夏の大会に向けて製作していた機体ゆえ、パイロットの体重が相当軽いことを想定しているわけだ。

 前年度大会のパイロットで3回生の鶴田は身長174センチの男性。決して大柄ではないものの、155センチと小柄な冬子との体格差は大きく、彼が代役を務めることは無理だろう。人力飛行機では重心の設計がシビアで、身長や体重などの体格が大きく異なるパイロットに操縦させることは不可能。そうなるとスワン号が再び空を飛ぶことはできないのだろうか?

「ここでがぜん、舞が代役を務める可能性が浮上してきました。舞は身長160センチで、冬子よりは大きいものの、元々スレンダーな体型ですし、最小限の設計変更で対応できるはず。なにより今回、作中では舞と冬子が隣同士に並び、似たような体格であることを視聴者も一目で分かる構図が用意されていたのです」(前出・テレビ誌ライター)

テストフライト日以前には、座り姿など体格差の分かりづらい構図ばかりが映しだされていた。トップ画像ともに©NHK

 テストフライトの直前、冬子はスワン号を眺める舞の隣に立ち、「美しい飛行機やなあ」と感嘆した様子を見せていた。ほんの数秒のシーンながら舞と冬子が同じような姿勢で並ぶことにより、二人の体格差が小さいことを視聴者にもしっかりと提示してみせたのである。

 このように、何気ないシーンにもちゃんと意味が込められている「舞い上がれ!」。同じシーンでは、尾翼のリブを制作している舞のことを、パイロットの冬子が信頼している様子もまた提示してみせた。こんな「伏線」を見せられた日には視聴者も、物語の一部始終に魅入られるに違いないだろう。