【舞いあがれ!】母親の懸念を振り切ってパイロットに!舞が見せた「10年間の成長」とは

 その姿に、10年の成長が表れていたのではないだろうか。

 10月28日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第20回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が人力飛行機のパイロットを目指すようになるまでの物語が描かれた。そこで見せた舞の成長ぶりに視聴者が心を打たれていたようだ。

 舞が所属する浪花大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」では夏の記録飛行に向けて、テストフライトを実施。しかし離陸した「スワン号」は離陸後に飛行姿勢が不安定になって墜落し、機体は破損。パイロットで2回生の由良冬子(吉谷彩子)は左足骨折で完治2カ月の重傷を負ってしまった。

 スワン号は由良の体格に合わせて設計されており、パイロットの変更は困難。前年度のパイロットでサークル代表の鶴田(足立英)は代役パイロットでの飛行再開を主張するも、設計担当の刈谷(高杉真宙)は「未練たらしくあがくんやったら勝手にすればよか」と反発し、飛行断念=サークル引退を宣言していたのである。

「一部の部員からは由良と似た体格の舞を代役パイロットに推す声があがるも、鶴田は『1回生には荷が重すぎるわ。トレーニングも間に合えへん』と却下。その一方で骨折した由良は、パイロットになりたいという舞の気持ちを尊重したのです」(テレビ誌ライター)

 入院中の由良を見舞った舞は、「私にパイロットできると思いますか?」と質問。そんな舞に由良は、日々の厳しいトレーニングよりも「みんなの期待を背負うプレッシャー」のほうが本当に大変だと説く。そのうえで「パイロットやりたいってほんまに、ほんまにそない思うんやったら、やったらええ」と舞を後押ししたのであった。

入院中の由良を見舞い、パイロットになりたい意思を伝えた舞。トップ画像ともに©NHK

 一方で、舞の母親・めぐみ(永作博美)は舞がパイロットを目指すことに否定的なようだ。由良を見舞う前日に舞は、パイロットを目指そうと思っていると相談。ここでめぐみの第一声は「危ないのと違うの? なんで舞がやらなあかんの?」というものだった。娘の気持ちを押さえつけているようにも思えるが、母親としては当然の疑問だろう。

 そんなめぐみに舞は、スワン号がサークルのみんなで一生懸命作った飛行機であり、「うちがやらへんかったらスワン号飛べへん」と説明。するとめぐみは「みんなのために舞が無理すんの?」と訊ねたのであった。

「そんなめぐみの姿に視聴者は、五島編でのやり取りを思い出したことでしょう。小3当時の舞は身体が弱く、引っ込み思案。自分のことを心配する母親・めぐみの意思をいつも気にする子でした。しかし転地療養で訪れた長崎・五島列島にて、祖母の祥子(高畑淳子)はめぐみが舞の自発的な意思を押さえつけていると懸念。舞に自分の本心を訊ねていたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 10月6日放送の第4回では校外学習の「磯の生き物観察」に行きたい舞を、「磯は初めて」という理由であきらめさせていためぐみ。すると舞の本心を知りたい祥子は「めぐみには聞いてなか!」と強い調子でめぐみを叱責し、舞から「行きたい」という意思を引き出していた。

 そこから10年の歳月が経って大学生に成長した舞だが、母親のめぐみが娘の舞を心配する気持ちに変わりはないもの。「みんなのために舞が無理すんの?」と訊ねたのは無理もないことだろう。

「そんな母親の懸念を振り切って、舞は『パイロットになる』ことを決意しました。その決断を後押ししたのは飛行機への強いあこがれや、なにわバードマンの仲間たちへの愛情。さらには敬愛する由良先輩からの『やったらええ』という助言も舞の心に大きく響いたはずです。そしてなにより、祖母・祥子のような理解者の存在がなくても自分自身の判断でパイロットへの道を選んだことに、舞の成長を視聴者も実感できたのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 10年前には母親の懸念を振り切って自分の意思を通せるようになり、ばらもん凧をあげていた舞。そんな彼女が大学生になって、今度はパイロットとしてスワン号を飛ばそうとしている。どうやら舞の成長と共に、凧も人力飛行機も高く舞い上がっていくようだ。