この4ショットは多くの視聴者にとって胸熱だったに違いないだろう。
NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」にて部長の鶴田葵を演じている足立英が11月1日、浪花大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」の3回生が集まった画像を投稿。その構図の絶妙さに視聴者が沸き上がっているようだ。
本作ではなにわバードマンの人力飛行機「スワン号」を巡って、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が代役パイロットに立候補。11月1日放送の第22回では、設計担当の刈谷博文(高杉真宙)が引退を撤回し、再び機体の設計に取り組むようになったいきさつが描かれた。
「刈谷が引退したことで、機体の設計はプロペラ担当の玉本淳(細川岳)が引き継ぐことに。しかし舞の体格に合わせて設計を変更したことに胴体班の部員たちが強く反発するなど、サークルの雰囲気は悪くなる一方でした。そこに刈谷が『何で設計いじりようとや!』と怒鳴りこんでくるも、玉本は自分の気持ちをぐっと飲み込んで、『お前の設計やないとあかん』と刈谷に復帰を迫ります。部長の鶴田も『刈谷、戻ってきてくれ』と頼み込み、なにわバードマンは以前の体制に戻ったのでした」(テレビ誌ライター)
そんな3回生トリオ(鶴田、刈谷、玉本)の熱い魂のぶつかり合いには、号泣する視聴者も続出。その3人が並んでポーズを取る記念写真が視聴者の心を打つのもまた、当然のことだろう。だがその写真には彼ら3人だけではなく、もう一人の3回生も写り込んでいたのだ。
それは「永遠の3回生」こと空山樹(新名基浩)。玉本と鶴田のあいだから振り返っている顔が見えている空山はおそらく、他の3人から4ショットを頼まれつつ、恥ずかしがって後ろに下がったのかもしれない。そんな構図に視聴者は胸をときめかせていたのである。
「空山は人力飛行機作りに魅入られたあまり、何度も留年を繰り返しては『永遠の3回生』として機体制作に没頭。スワン号の制作を陰で支える縁の下の力持ち的な存在です。しかし大学には計8年までしか在学できないことから、今年限りでついに引退し、来年は4回生に進む予定。『ボクが触る7つめの機体』であるスワン号に全身全霊を打ち込んでおり、現役3回生トリオに勝るとも劣らない熱意を秘めています」(前出・テレビ誌ライター)
そんな空山に関して、一部の視聴者からは「違和感をぬぐえない」との声もあがっている。それは彼のキャッチフレーズとなった「永遠の3回生」という言葉に原因があるようだ。「〇年生」ではなく「〇回生」という表現を使うのは、京大に源流を持つ関西流の呼び方。空山は関東流では3年生にあたるが、本来の関西流ではあくまで「7回生」なのである。
それゆえ関西の大学に通った経験を持つ視聴者にとっては、NHK大阪放送局が制作し、東大阪市や浪花大学といった舞台が完璧に再現されている本作において、学年の呼び名だけが関東流になっていることに違和感を抱くのも無理はない。しかし違和感はあれども、それがクレームにまで発展するわけではないという。
「空山が留年を繰り返しながら人力飛行機作りに掛ける熱い想いは、本来の3回生である鶴田、刈谷、玉本にとっても重く、かつありがたいもの。それが視聴者にもビビッドに伝わるからこそ、正しい用法から外れた『永遠の3回生』という単語もまた、重みを持ってくるわけです。これが自分の所属していた部活やサークルの話であれば、おかしいと思いつつ自分も『永遠の3回生』と呼んでいたかもしれない。視聴者にそう思わせるだけの説得力が、彼ら3回生の4ショットから伝わってくるのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
オフショット1枚からも伝わってくる、なにわバードマンの熱い絆。こんな記念写真を見せられた日には、ますますドラマに没入してしまうではないか。そんな声があちこちから漏れ伝わっているのではないだろうか。
※トップ画像は足立英公式ツイッター(@SuguruAdachi)より。