【舞いあがれ!】舞の無謀なダイエットに募る不安!その姿は残酷な伏線なのか

 そのストイックさに不安を募らせる視聴者が続出していたようだ。

 11月2日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第23回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が過酷なダイエットに励む日々が描かれた。その姿に心配の声があがるのも無理はないという。

 浪花大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」に所属する舞は、夏の記録飛行に向けてパイロットを務めることに。左脚を骨折してしまった正パイロット・由良冬子(吉谷彩子)の代役に立候補したものの、その由良に合わせて49キロの体重を44キロまでに落とすことを命じられていた。わずか2カ月で5キロの減量は、もとから細身の舞にとって相当、困難なのは明らかだ。

「舞はさっそく中古のロードバイクを購入し、大学まで20キロの道のりを自転車通学することに。舞の自宅がある東大阪市から、浪花大学のモデルとされる大阪公立大学中百舌鳥キャンパス(旧・大阪府立大学)まではちょうど20キロほどで、設定の巧みさにニヤリとした視聴者も多かったことでしょう。ともあれ舞は毎朝5時半に起床し、過酷なトレーニングとダイエットに励んでいますが、その内容を危惧する人も少なくないのです」(テレビ誌ライター)

 舞は炭水化物と脂肪分をできるだけ減らした食事に変更。終盤で示された1日の食事では、炭水化物が280グラム、タンパク源が420グラム、総計が1671kcalとメモ書きされていた。

 だがこの数字、実は正しくないのである。炭水化物とタンパク質はいずれも1グラムあたり4kcalの熱量があり、舞の食事では両者の合計が700グラムあることから、これだけで2800kcalに及ぶ計算だ。つまり舞はどこかでカロリー計算を間違っていることになる。

 また、舞は日曜日もトレーニングに励んでいた。だがパイロットになると決めた時、機体設計担当の刈谷(高杉真宙)から与えられたスケジュールでは、日曜日が休みとなっていたはずだ。休息日を取らない過度なトレーニングでは筋肉に回復する時間を与えることができず、筋力増強の面では逆効果にもなりかねないのである。

片道20キロ、往復で毎日40キロもの距離をロードワークしている舞。トップ画像ともに©NHK

「7月1日朝の時点で48.3キロだった舞は、7月7日朝に46.0キロになっていました。目標の44キロに向けて順調に体重を落としているようにも思えますが、わずか6日間で5%の減量はペースが速すぎます。この調子では近いうちに行き詰る恐れも高く、現状では無謀なダイエットと言えるでしょう」(スポーツライター)

 そこで危惧されるのが、過酷なダイエットで舞が体調を崩してしまうことだ。生真面目な性格の彼女は、いち早く44キロを目指したいはず。しかし、無謀な減量で体調を崩したら、本末転倒というものだろう。

「舞のトレーニングで問題なのは、44キロという体重や、190ワットの出力を50分間維持するという目標は与えられているのに、肝心のトレーニング方法を誰からも教えられていないことにあります。舞が目指している数値はいずれも相当に過酷なものであり、適切な指導なしで過酷なトレーニングだけを続けるのはあまりにも無謀。それゆえ第23回のラストで示された『体重46.0キロ』という数字が、目標に近づいたと喜ぶべき数字ではなく、今後なにか悪いことが起こるという残酷な伏線に見えて仕方がありません」(前出・スポーツライター)

 果たして舞は、残り1カ月強のトレーニング期間を無事に終えることができるのか。視聴者は彼女の体調を心配して仕方がないことだろう。