朝ドラが終わった今だからこそ、話すことができるエピソードだったのかもしれない。
放送中の連続ドラマ「クロサギ」(TBS系)にて検事志望の大学生・吉川氷柱を演じている黒島結菜が、自身がヒロインの比嘉暢子役を務めていた2022年度前期のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」にまつわる裏話を明かした。その内容に驚きを隠せないドラマ好きもいたようだ。
黒島は発売中の雑誌「東京カレンダー」12月号にて、「旬な女優とときめく店」という特集に登場。出演中の「クロサギ」にちなんだのか深みのあるネイビーのワンピースに黒いブーツを合わせており、同誌の“通常版”で表紙を飾っている。なお特別版の表紙は「クロサギ」で共演する平野紫耀で、どうやら今回の12月号はクロサギ推しのようだ。
特集内では1ページにわたるインタビューも掲載。その小見出しには「朝ドラで自分が演じた暢子の強さと聡明さに、私自身が救われたこともありました」との言葉が躍っている。「ちむどんどん」の視聴者としては<暢子の聡明さってどこが?>と思わずにはいられないところだが、少なくても暢子が相当に強いハートの持ち主だったことは間違いなく、そんなヒロインに黒島自身が救われたという話にはうなづけるところもあるだろう。
そのインタビューでは黒島から、朝ドラの撮影に入る前のエピソードも明かされることに。その内容に「ちむどんどん」の視聴者が驚くとともに、首をかしげざるをえなかったというのである。
黒島は10代の時に仕事をしたことのあるプロデューサーから、20代になって再び声を掛けてもらったと回想。暢子がイタリア料理店のシェフという設定だったことから、「イタリアンを食べに連れて行ってくださったんです」と明かしている。そこは物静かでありながら、料理へのひたむきな愛情を感じさせるシェフの店だったそうだ。
「プロデューサーが黒島をイタリアンに連れて行った狙いは分かりますし、なにしろNHKの局員が連れていくほどの店ですから、よっぽどの名店だったのでしょう。それほど暢子という役に気を遣った振る舞いができるのに、なぜ『ちむどんどん』ではあれほどイタリア料理の描写がいい加減だったのか、そこが理解できないのです。視聴者からは《ちっとも美味しそうに見えない》と批判され、イタリア料理の専門家からは料理の内容について酷評されていましたが、じゃあ黒島をわざわざ高級イタリアンに連れて行ったのはいったい何だったのかと、首をひねらざるをえません」(テレビ誌ライター)
東京カレンダーの特集では美しく着飾った黒島が食事したり、ワインを嗜んでいる姿を正面や斜め、真横など様々な角度から撮影。真正面のカットで見せる柔らかな表情や、真横から見た凛とした様子には、美人という言葉では表現しきれない奥深さも感じるというものだ。
そんな黒島の演じた暢子がなぜ、あれほどまでに批判されてしまったのか。演技が上手いとの触れ込みだった黒島がドタバタ芝居を見せるたびに「俳優の無駄遣い」と言われ、ついには黒島自身の評価まで下げる結果になってしまった迷作の「ちむどんどん」。撮影前にイタリアンを食べていた時、まさかこんな作品になってしまうとは、黒島自身も露ほども思っていなかったことだろう。