【舞いあがれ!】舞の初フライトに視聴者号泣!由良先輩と同じ掛け声に「劇伴まで完璧!」の声

 あの墜落事故がたった8日前のことだったとは、視聴者も驚いていたかもしれない。

 11月4日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第25回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)がスワン号のテストフライトに挑戦。人力飛行機のパイロットとして初飛行に成功する様子が描かれた。

 浪花大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」では、6月に行われた最初のテストフライトで正パイロットの由良冬子(吉谷彩子)が左脚を骨折。代役パイロットに志願した舞は2カ月にわたって猛特訓を重ね、8月中旬のテストフライトに間に合ったのだった。

「6月の時はコックピットに乗り込む由良を舞がアシスト。それが今回は、舞が乗り込む際に同じ1回生部員の日下部(森田大鼓)と藤谷(山形匠)がアシストしており、この2カ月で1回生トリオが大きく成長したことを実感させました。作中では2カ月が経っていますが、前回のテストフライトを描いたのは前週に放送された第19回であり、わずか8日しか経っていないことに驚く視聴者も少なくなかったようです」(テレビ誌ライター)

 松葉杖姿の由良から「いつもと同じように漕いだらええ」とアドバイスされた舞。部長の鶴田(足立英)から「よっしゃ、岩倉行け!」と指示された舞は、ふーっと息を吐き、目をつむる。観る側も緊張の高まる瞬間だ。

 やがてキッと目を見開いた舞は「右翼オッケーですか? 左翼オッケーですか? 胴体オッケーですか? 指示出しオッケーですか?」と各所に確認。「ペラ、回します!」と宣言してペダルを漕ぎだし、「フライト1本目、行きます! 3、2、1、ゴー!!」の掛け声を合図に、機体を支える部員たちが一斉に走り出したのだった。

「この発進手順が、第19回で正パイロットの由良が発していた掛け声とまったく一緒であることに、視聴者も気がついていたことでしょう。声に気迫がこもっていた由良に比べると、恐る恐るといった様子だったことにも気付いたはず。そんな舞の不安は見る側にもビビッドに伝わり、由良の時より何倍も何十倍もドキドキしながら、視聴者は手に汗を握りつつ今回のテストフライトを見守っていたのです」(前出・テレビ誌ライター)

 やがて舞が操縦するスワン号はふわりと浮き上がり、初フライトに成功。視聴者から<泣いた~!>といった声が続出するなど、号泣必至の場面になっていたようだ。

それもそのはず。由良が飛んだ第19回では人力飛行機のフライトがどんなものなのか、観る側には予備知識がなかった。それが今回はフライトに懸ける部員たちの熱い想いを1週間かけてじっくりと描いてきたほか、墜落の危険性も提示されたことにより、視聴者には期待と不安の両方が大きく膨らんでいたに違いないだろう。

同じ1回生の日下部と藤谷がコックピットの扉を固定していた。トップ画像ともに©NHK

 同じ機体、同じ空港、同じような発進手順でありながら、前回とはまったく状況が異なっている今回のテストフライト。そしてもう一つ、6月のテストフライトとは異なる要素があった。それはフライトの映像を盛り上げる劇伴(映像に合わせて流される音楽)だ。

「第19回も今回も、スワン号が滑走から進空するまでは吹奏楽による勇壮な楽曲が流れ、空に向かって舞い上がっていく姿を盛り上げてくれました。そして今回、舞が初めて空を飛んだと実感したところから、劇伴はピアノによる楽曲へと変化。その曲調はラストシーンで舞が『…飛んでる』との言葉を漏らした際の笑顔にぴったりだったのです。その様子は視聴者にも《飛ぶことの楽しさ》を実感させてくれたことでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 先週はスワン号の墜落と由良先輩の骨折で終わっていたが、今週は舞の初フライトというハッピーなシーンで締めくくってくれた。本編終了後の次週予告ではいよいよ、琵琶湖の上を飛ぶ記録飛行にもチャレンジした様子。舞がさらに高く舞い上がる姿には、いやがうえでも期待が高まるというものだ。