【舞いあがれ!】舞が旅客機パイロットへの夢を抱く姿に「展開が早すぎる!」と驚きの声

 もう次に話が進んじゃうの? そう驚く視聴者も少なくなかったようだ。

 11月10日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第29回では、琵琶湖での記録飛行を終えた人力飛行機サークルの「なにわバードマン」で、新体制が始まった様子が描かれた。その展開に驚く視聴者も少なくなかったという。

 飛行機へのあこがれを胸に、浪花大学の航空工学科に進んだヒロインの岩倉舞(福原遥)。入部したなにわバードマンでは人力飛行機・スワン号のパイロットとなり、人生初の飛行では空を飛ぶことの楽しさに魅入られることとなった。

 第29回では先輩の由良(吉谷彩子)が翌年度のパイロットになることが決まり、舞は素直に応援。その一方でどうしても空を飛びたい彼女には、旅客機のパイロットになるという夢が芽生え始めたのである。

「大学の構内で『パイロットという職業』という書籍を読んでいた舞に、由良は航空学校を受けようとしていた過去を告白。しかし158センチという身長制限に引っ掛かり(由良は155センチ)、断念したことを明かしていました。159センチの舞ならその制限をクリアでき、パイロットになるという夢は一気に現実的なものに変化。もはや舞だけではなく視聴者も、人力飛行機から旅客機へと気持ちが切り替わっていったことでしょう」(テレビ誌ライター)

 そんな「舞いあがれ!」では、小3だった舞が長崎・五島列島で過ごした「五島編」に始まり、その後は人力飛行機をテーマにした「東大阪編」(なにわバードマン編とも)に移行。小3当時の舞を演じた浅田芭路の演技があまりにも素晴らしかったことから、福原への移行に心配の声もあがっていたが、視聴者は人力飛行機に取り組む舞やなにわバードマンの部員たちが見せる頑張りに熱中。小3から大学1回生への移行は実にスムーズに進んでいた。

 ところが多くの視聴者を引き付けたなにわバードマン編が早くも終わりを迎え、部長の鶴田(足立英)や設計担当の刈谷(高杉真宙)ら3回生は引退。第29回では回想シーンにほんの少し映っただけで、あっさりと画面から姿を消していたのである。

 その早すぎる展開に視聴者からは驚きの声が続出。しかも本作での展開は、前2作に比べても、あまりにも早すぎるというのである。

「2作前の『カムカムエヴリバディ』を振り返ると、第29回では初代ヒロインの雉真安子(上白石萌音)が米軍将校のロバートに呼び出され、翌30回でクリスマスコンサートを目撃していました。また前作『ちむどんどん』の第29回では、上京したヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が横浜・鶴見の沖縄料理店で下宿を始めたところだったのです。いずれにしても物語のごく序盤といった感じであり、『舞いあがれ!』のスピード感とあまりに差があることには驚きを禁じえません」(前出・テレビ誌ライター)

 この「舞いあがれ!」ではヒロインの舞が航空学校でパイロットになる訓練をしている姿が当初から紹介されており、視聴者も舞がいずれは航空学校に入学するものと構えていた。ただ五島編からなにわバードマン編へと話が進むなか、そのタイミングは物語全体の中間地点以降だと思っていた視聴者も多いことだろう。

 ところが全125話前後と予想されている本作において、物語はまだ最初の5分の1を消化しているところ。起承転結で言えばまだ「起」の段階だ。その時点で早くもなにわバードマン編が終わろうとしているのは、さすがに性急すぎるのではないだろうか?

第29回で久しぶりに集合した幼馴染トリオ。この3人の物語をもっとじっくり観たいという視聴者も多いはずだ。トップ画像ともに©NHK

「ここで注目したいのは、第29回にて舞の幼馴染である望月久留美(山下美月)にスポットライトが当たったこと。父親と二人暮らしの久留美ですが、今回、母親から毎年の誕生日に手紙が送られていたことが分かり、両親が離婚していたことが判明しました。母親は福岡市に在住している様子で、舞の祖母が住む長崎・五島列島にもさほど遠くない場所です。そう考えると今後しばらく、久留美を軸にした物語が展開されるのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 福岡空港からは五島列島の福江空港に直行便が飛んでおり、アクセスは良好。また番組側では舞と久留美、そしてもう一人の幼馴染である梅津貴司(赤楚衛二)が五島で写したオフショットも公開しており、どうやら3人が五島を訪れるという展開もありそうだ。

 そうなるとなにわバードマン編(東大阪編)は今後も続いていく可能性が高そう。舞が航空学校に入学できるのは、2回生が修了する翌年度末との指摘もあるなか、まだしばらくは大学生の舞を楽しむことができるのかもしれない。