【舞いあがれ!】「カムカム」や「ちむどんどん」を思わせる場面が続出!これは「過去作のいいとこ取り作戦」なのか?

 こんな演出、前にも見たことある! そう思った視聴者も少なくなかったことだろう。

 NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」では、第8週の「航空学校編」に突入した途端、物語の内容が大きく変わってしまったと視聴者から心配の声があがっている。そのなかで2作前の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」を思い起こさせるアイテムが映し出されたというのだ。

「それはヒロインの岩倉舞(福原遥)と航空学校の寮で同室になった矢野倫子(山崎紘菜)の私物です。女子力の高い倫子はメイク道具を数多く持ち込んでおり、そのなかにはお肌に潤いを与えるスチーマーも。そのスチーマーにはブランド名なのか『G-CIRCUS』とのシールが貼られていました。これが『カムカムエヴリバディ』に登場したマンガ誌を想起させるというのです」(テレビ誌ライター)

 その「カムカムエヴリバディ」では、3代目ヒロインの大月ひなた(新津ちせ)が「別冊おサーカス」という少女マンガ誌を愛読していた。この珍妙な誌名は、過去の朝ドラ「ちりとてちん」や「スカーレット」に小道具として登場していた少年マンガ誌「少年ギャグサーカス」をモチーフとしていたもの。つまり「G-CIRCUS」とはギャグサーカスをもじっているということになる。

 こういった過去作品へのオマージュはNHKによると、いま流行りのSDGs(持続可能な開発目標)の一環でもあるらしい。それゆえ今回の「舞いあがれ!」ではマンガ誌からスチーマーへと形を変えたものの、SDGsが続いているということなのだろうか。

「過去作品にちなんだ小道具を画面に登場させると、朝ドラファンが食いつくということを制作陣は学んだのでしょう。実際『舞いあがれ!』でも五島列島編において、有村架純主演の『ひよっこ』で製造していたラジオが登場し、大きな話題を呼んでいました。この調子だと今後も本作では、過去の朝ドラにちなんだアイテムが次々と画面に現れてきそうです」(前出・テレビ誌ライター)

舞と倫子が同居する寮の部屋にはほかにも、過去作品にちなんだ小道具が隠されているのかもしれない。©NHK

 そんな小道具に加えて、第8週から演出スタイルが大きく変わったのも、過去作品に関係しているとの指摘もあるようだ。「航空学校編」では脚本が桑原亮子氏から嶋田うれ葉氏にバトンタッチ。そのせいなのか作風が大きく変わり、視聴者からは<まるで「ちむどんどん」だ>との指摘も続出している。

 今年上期に放送された前作の「ちむどんどん」は、言わずと知れた<史上最悪の朝ドラ>として、視聴者からの猛批判を浴びたもの。その一方で同作の制作チームは番組視聴アプリ「NHKプラス」の利用者増加に貢献したとして、「デジタルセンター長特賞」を受賞していたことも知られている。

「NHKが『NHKプラス』の利用者をさらに増やしたいのは間違いありません。一方で『ちむどんどん』は、世間に様々なノイズを引き起こすほどにあざとい内容のほうが、ネットでバズりやすいという成功体験になった可能性もあります。そう考えると『舞いあがれ!』でもあえて、物議をかもすような演出をブチこんでくるという疑念がぬぐえないのです」(前出・テレビ誌ライター)

 今週になってから、それまで鳴りを潜めてきたツイッターの「反省会タグ」が一気に活性化しているが、これも制作側としては織り込み済みなのかもしれない。そうなると今後の放送では「カムカムエヴリバディ」的な要素と「ちむどんどん」的な要素がどんどん増えていくという事態に、視聴者は身構える必要があったりして?