【舞いあがれ!】人格改変は父親の浩太まで…妻めぐみに隠し事する姿に「ありえない」の声が続出!

 変わってしまったのはヒロインだけではなかったのか…。そんな嘆きの声が全国から漏れ伝わっているようだ。

 11月24日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第39回では、ヒロイン岩倉舞(福原遥)のもとに父親の浩太(高橋克典)から電話が掛かってくる場面があった。そこからの展開に視聴者が呆れかえっているという。

 東大阪市でねじ工場の株式会社IWAKURAを営む浩太は、新たに自動車用の部品を手掛けると舞に報告。そんな父親に舞は「どんだけ大変やっても、やりたいことやるお父ちゃん、私はええと思うよ」と尊敬と応援の言葉をかけていた。

 そのセリフには、父親のことを心の底から尊敬している舞の姿が描かれていた。だが電話を切ったあとに浩太と妻・めぐみ(永作博美)のあいだで交わされた会話に、視聴者は「ありえない!」と大いに憤慨していたという。これまでの浩太であれば絶対に見せなかったであろう姿が描かれていたからだ。

 浩太はめぐみに対し、中学の同級生が勤める名神プレステックという大きなメーカーから、自動車用部品のオファーがあったと告白。初耳の話に驚くめぐみに浩太は「新しい工場建てたろか思うてな」と明かしつつ、その資金に3億円もかかることを明かしたのだった。

 しかも浩太は、明日にも銀行に行く予定だと告げ、これにはめぐみも「そんな急な話!?」とびっくり。しかし浩太は、「言わな言わなと思うてたんけど、できるめどがついてからのほうがええやろ思うてな」と言い訳し、めぐみも「もう決めてんでしょ」と納得していたのである。

「この会話には明らかにおかしい点が二つあります。一つ目はあまりにもリアリティが欠如していること。めぐみは株式会社IWAKURAの経理担当者で、会社のお金の流れを一手に握っている責任者です。そのめぐみに無断で新工場設立の準備を進め、銀行に行く約束まで取り付けていることなどありえないでしょう」(テレビ誌ライター)

新工場設立の話を妻のめぐみに打ち明けた浩太。トップ画像ともに©NHK

 岩倉家では長男の悠人(横山裕)が東大を卒業して電機メーカーに就職。長女の舞は航空学校に入学しており、子育てからは完全に手離れしている。それゆえめぐみはIWAKURAの経理業務に専念しており、会社内のお金の流れを握っている立場だ。

 新工場を作るとなると、土地の手当てや建屋建設費の見積もり、必要な工作機械の見積もりなど、やることは山ほどある。それらを済ませておおよその必要資金を算出しないことには、銀行に行っても門前払いされるのが関の山だろう。

 それらの作業をすべて浩太が一人でやっていたとしても、経理責任者であるめぐみの耳に入らないというのもまた、あり得ない話。今回交わされた浩太とめぐみの会話には、あまりにもリアリティが欠如していたのである。

「おかしな点のもう一つは、新工場設立という大事な話を浩太がめぐみに話していなかったこと。なぜなら浩太はそんな大事なことを、妻のめぐみに黙って進めるような独りよがりな人物ではなかったからです。つい前週にはめぐみが、浩太との結婚に反対する母親の祥子(高畑淳子)に対して『浩太さんと一緒に大阪で生きていくけん』と啖呵を切り、町工場のおかみさんになる決心を伝えたばかり。二人三脚で町工場を守っていくという強い意志を示していたのに、今週になったらいきなり浩太が会社の重要な経営判断をめぐみに黙っていたのですから、もはや浩太の人格が変わってしまったと指摘せざるをえません」(前出・テレビ誌ライター)

 本作では今週から脚本家が交代しているが、新担当の嶋田うれ葉氏は前週までの放送を観ていなかったのだろうか。そう思わずにはいられないほど、第7週までと第8週では物語の内容も登場キャラの性格付けも、別のドラマかと思えるほどに変わっているのである。

 ヒロインの舞はこれまで、他者の心を推し量る優しさを持つ人物として描かれていた。ところが今週からは自分の都合ばかり言い立てるようになり、航空学校でルームメイトの倫子(山崎紘菜)を尾行したり、なぜ自室で勉強しないのかと詰め寄ったりと、いきなり人格が変わっていたのだ。

「前週までの『舞いあがれ!』ではしっかりとした考察が積み上げられ、工場の描写でも東大阪にある本物のねじ工場を休日に借りて撮影するなど、リアリティにこだわる姿勢が視聴者から支持されていました。ところが演出家が変わった途端、作品に対するアプローチが根底から覆ることに。リアリティ欠如に加え、浩太がめぐみに黙って新工場の話を進めていること自体、これまで描かれてきた夫婦関係とは真逆の描写となっています。脚本家の交代は朝ドラの長さを考えれば必然かもしれませんが、物語の連続性をブチ切る展開に視聴者が呆れかえるのも当然でしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 この有様にネットでは「離脱した」という報告が続出。前週まで観る者を感動の渦に巻き込んできた「舞いあがれ!」はたった4日間の放送で、多くの視聴者を失いつつあるようだ。