【THE W】ヨネダ2000のネタで笑えないのは、お笑い分野でも昭和が遠くなったことを知らない人たちだった!?

 たしかにあれで笑えるわけないよね。だって世代が違うんだから…。

 12月10日に生放送された「女芸人No.1決定戦 THE W 2022」(日本テレビ系)にて、昨年準優勝の「Aマッソ」が決勝戦Aブロックにて「ヨネダ2000」に破れたことが話題になっている。

 ヨネダ2000はツッコミの愛が茶色い全身タイツでうんちに扮するというシュールなネタを披露。対するAマッソは就職面接を舞台に過剰なルッキズムをイジるという攻めたネタで勝負していた。

 審査では視聴者投票による「国民投票」がAマッソに投じられるも、審査員票は4対2となり、ヨネダ2000が勝利することに。最後に投票が明かされた野田クリスタルは「勘弁してくださいよ! みんな同時に審査してますよ」と、自分が勝敗を分けたわけではないことを強調していた。

「ヨネダ2000のネタにはネット上でも《まったく笑えん》《面白さが分からない》と批判の声が続出していました。ただ批判一色というわけでもなく、なかには《くそ笑った、うんちだけに》とか《地上波でこれやるなんてスゴいなあ》と感心する声も。また子育て世代の家庭では、分かりやすいうんちネタに大笑いする子供の姿も目立っていたようです」(芸能ライター)

 そういった声を俯瞰すると、大雑把に言って若い世代はヨネダ2000のネタで大笑いし、中高年層はクスリとも笑えないという世代間ギャップが明らかになっていたようだ。

 この手の世代差は音楽分野にも顕著で、中高生に高い人気を誇る「HoneyWorks」の楽曲が中高年層にはほとんど知られていないといった現象が典型的。お笑いを含むエンターテイメント分野に関しても、YouTubeなどのネットから情報を得ている若者世代と、テレビや劇場でのみお笑いに触れている中高年層では、受けるネタの方向性が異なるのもまた無理のないことだろう。

「M-1グランプリ」でも決勝進出を決めているヨネダ2000。神保町よしもと漫才劇場公式ツイッター(@jimbocho_manzai)より。

 そんな世代差で注目したいのが「THE W」の審査員たち。今回の審査員は塚地武雅(51)、友近(49)、哲夫(47)、田中卓志(46)、川島明(43)、そして野田クリスタル(36)という面々。50代後半以上が多い「M-1グランプリ」に比べると、全体的に若いという印象を抱いた視聴者も少なくないはずだ。

 なかでも野田に関しては、M-1チャンピオンという肩書きこそあれど、賞レースの審査員を務めるにはまだ若すぎると考える視聴者も多かったことだろう。だがその認識こそ、まさに世代間ギャップそのものだというのである。

「お笑い好きの女子高生や女子大生のあいだでは、ヨネダ2000のほうが面白かったという声が少なくありません。そういった女子から見ると、野田はもはや“おじさん”なのです。10代~20代の若者にとって昭和生まれの野田はおじさん以外の何物でもなく、中高年層の視聴者が《野田はまだ若い》と指摘したところで、それは後期高齢者が70歳の老人を若造と呼ぶ構図さながらです」(前出・芸能ライター)

 野田がヨネダ2000に票を投じたことをもって、彼を若造扱いするのは、もはや老人の繰り言に過ぎないということか。

 ちなみに今回の「THE W」で最終決戦に進んだ3組のうち、昭和生まれは天才ピアニストのますみ、ただ一人だけ(昭和62年生まれ)。紅しょうがの二人でさえ平成生まれという事実を、昭和生まれのロートル視聴者たちはあらためて認識すべきなのかもしれない。

※トップ画像は「THE W」公式ツイッター(@the_w_ntv)より。