【舞いあがれ!】もはや作品への冒涜か?貴司の短歌を「柏木に告白」の前振りにした制作陣に非難殺到!

 こんな仕打ちが許されていいのか。多くの視聴者が怒りに打ち震えているようだ。

 12月15日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第54回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が航空学校で同期の柏木(目黒蓮)とデート。あらためて「岩倉が好きだ」と告白した柏木に、「私も…私も…柏木さんが好きです」と答えた場面がハイライトになっていた。その場面を巡って制作陣への猛批判が渦巻いているという。

 視聴者からは、舞が柏木を好きになった理由が分からないとの疑問があがることに。自分本位で他人を見下しがちだった柏木が、訓練を通じて同期との絆を意識するようになったという変化はあるものの、舞が柏木への好意を強めるような要素は見られなかったはずだ。

 そんな舞に対してネット上では、柏木からの告白を断ってほしかったとの声が続出。パイロットになるとの夢を胸に航空学校に入学したからには、自分のすべてを日々の訓練に向けるべきであり、実直な性格の舞であれば恋愛ごとは卒業した後にするはずだからだ。

「しかし柏木の告白を受け入れたということは、パイロットになることが最優先事項ではないと示したも同然。前日の第53回では『なにわバードマン』の先輩から電話をもらい、パイロットになりたい理由を再認識していたのに、そのエピソードをあっという間にぶち壊してしまう展開には開いた口がふさがりません」(テレビ誌ライター)

美しいラベンダー畑で愛の告白。それが視聴者にとっては最低最悪の場面となっていた。トップ画像ともに©NHK

 そんな疑問に加えて今回の告白を巡っては、視聴者を激怒させる演出すらあったという。それはラベンダー畑にたたずみながら、舞が「これ空の上から見てもめっちゃキレイなんやろな」とつぶやいた場面でのことだ。

 ここで舞は「トビウオが飛ぶとき 他の魚は知る 水の外にも 世界があると」との短歌を口に。友達が送ってくれた短歌だと紹介しつつ、柏木たち同期生からたくさんのことを教えてもらったと明かしていた。

 その言葉を受けて柏木は「同期として尊敬してるし…これからも…一緒に飛びたいと思っている。俺は…岩倉が好きだ」と告白。舞も柏木が好きだと明かし、「これからも一緒に空飛びたいです」と返していた。

「舞がそらんじたのは、幼馴染の貴司(赤楚衛二)が詠んだ短歌。周りと馴染めず、海の中でもがくように苦しんでいた貴司が、外の世界に目を向けられるようになった姿を表した、本作にとって重要な短歌です。ところがこの告白場面では視聴者にとっても大事な短歌を、柏木の告白に繋げる道具として使っていました。貴司の短歌を軽んじた制作陣に、怒りの声が続出するのも当然でしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 視聴者からは制作陣に対して<良識を疑うレベル>との怒りさえ飛び出すことに。航空学校編に至るまでの7週間を費やして描いてきた幼馴染たちの大事な絆を、一瞬でぶち壊してしまった演出はもはや、「舞い上がれ!」という作品自身への冒涜とさえ呼べるのではないか。

「視聴者は、舞のことを幼い時から見守ってきたという親心に似た気持ちを抱いています。その視点から見れば舞が、貴司の詠んだ短歌をこの場面で口にすることなど絶対にありえません。しかし制作陣にとってその短歌は、告白を盛り上げるための道具にすぎなかった。そんな態度が露呈したこの場面は、視聴者の心が作品から離れてしまう決定的な事件になったかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)

 ネット上では「目黒(柏木)のファン以外、全員離脱してよし!」との声さえあがっている。そんな怨嗟の声を制作陣はどう受け止めるのか。ヒロイン舞の成長物語が単なる恋バナに堕してしまった本作に、視聴者を引き付ける求心力がどれくらい残っているのか。先行きが心配でならないところではないだろうか。