【舞いあがれ!】鶴田と刈谷が社会人に?理系視聴者から「大学院生じゃないのか」との疑問が噴出!

 あれ、いま2007年だよね? そんな疑問が日本中から湧き上がっていたようだ。

 12月14日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第53回では、航空学校でパイロットを目指しているヒロイン岩倉舞(福原遥)のもとに、浪花大学の先輩から電話が掛かってくることに。その場面に理系の視聴者から不満の声があがっているという。

 フライト訓練を続けるなか、大河内教官(吉川晃司)から「なぜパイロットになりたいか、思い出したか」と問われていた舞。自分の目標を見失いそうになるなか、浪花大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」の先輩だった鶴田(足立英)から電話が掛かってきたのだった。

 部長を務めていた鶴田は、設計担当だった刈谷(高杉真宙)と共に、舞の実家に隣接する「お好み焼 うめづ」で食事中の様子。二人ともワイシャツを着ており、どうやら仕事帰りの様子だ。

 電話を替わった刈谷は「あん時の岩倉はスワン号を飛ばすんだって、しつこく俺を連れ戻しに来てな」と昔語りをしながら、舞がフライト課程で空を飛んでいることを聞いて安心した様子。電話の最後には「今でも岩倉は俺たちのパイロットやけん。なにわバードマンの魂、忘れちゃいかんよ」とのエールを送っていた。

 11月11日放送の第30回から、33日ぶりに鶴田と刈谷が登場したことに視聴者は大喜び。すっかりドタバタ活劇に様変わりしてしまった物語に、かつての感動が戻ってくる予感を感じた人もいたことだろう。

 だが一方では、二人の登場シーンに違和感を抱く視聴者もまた少なくなかったという。しかも鶴田や刈谷と同じ理系学部の出身者ほど、その違和感は強かったというのだ。

「舞がスワン号のパイロットを務めた2004年の時点で鶴田と刈谷は3回生でした。そして物語は2007年へと進むなか、二人が就職して社会人になっている描写はいかにも不自然。なぜなら理系の学生はほとんどが大学院に進学するので、鶴田と刈谷はM2(修士課程2年目)の大学院生のはずだからです」(理系出身のライター)

学部卒2年目の二人。ネクタイを締めた鶴田が社会人になっているのは確実だろう。トップ画像ともに©NHK

 浪花大学のモデルと言われる大阪府立大学(現・大阪公立大学)の工学域では、大学院への進学率が約85%となっている。そうなると二人がともに就職している確率はわずか2%あまりに過ぎない計算だ。

 刈谷のほうはノータイだったので、社会人になったのは鶴田一人という可能性もある。だが学部卒で就職する学生は、ほとんどが大手メーカーに入社。それらの企業が大阪に拠点を置いている例は少なく、鶴田と刈谷が東大阪のお好み焼き屋にいる確率は、ほぼゼロに等しいのである。

「二人が仕事帰りに一杯引っかけているかのような描写には、日本中の理系出身者が『院生じゃないのかよ!?』と驚いていたことでしょう。この調子ではNHK大阪の朝ドラ制作班に、理系出身者はいないと判断せざるを得ないようです」(前出・理系出身ライター)

 なにしろヒロインの舞自身も航空工学を学ぶバリバリの理系学生だった本作。ここは理系にこだわった描写であってほしかったところではないだろうか。