その格好、八木さんを真似てるんだよね? 視聴者が沸いていたようだ。
12月15日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第55回では、本編の終了後に次週予告を放送。その内容に多くの視聴者が期待を高めているようだ。
第12週からは脚本に、第7週までを担当していた桑原亮子氏が復帰。それにともない、第8~11週の「航空学校編」でドタバタ活劇と恋バナのミックスへと変容していた物語が、繊細かつ感動的な内容に回帰するものと期待されている。
その次週予告で視聴者が注目したのは、舞が再び五島を訪れる場面だ。母・めぐみ(永作博美)による「ばんばの手伝い、してきてくれへんかなぁ」とのナレーションが入り、舞が祖母の祥子(高畑淳子)に抱き着くシーンが。祥子の家にはどこかの親子が泊まりに来る様子だ。
そのシーンに加えて、貴司(赤楚衛二)が祥子の家を訪れたらしき場面も。会社を辞めた後に貴司は、全国を放浪しながら各地で働き、短歌を詠み続けている。それゆえ五島を放浪の場に選んでも不思議ではないのである。
「ここで視聴者の目を惹いたのが、貴司の服装。バケットハットにタートルネックのインナー、そして首からはルーペをペンダントのようにぶら下げていました。その姿がまるで、古書店デラシネの店主・八木巌(又吉直樹)さながらだったのです」(テレビ誌ライター)
デラシネは小3の時、貴司が舞に紹介。久留美(山下美月)を加えた幼馴染の3人にとって、学校以外での時間を過ごす隠れ家さながらの大事な場所となっていた。
だが11月11日放送の第30回では、3人が高校を卒業した後の2005年1月に、八木がデラシネを閉店することに。心の拠り所を失った貴司が会社を辞めて失踪する原因のひとつになっていたのである。
「その八木はチューリップハットを愛用しており、冬場はタートルネックを着用。首からはいつもルーペをぶら下げていました。今回の貴司は被り物こそバケットハットに替わっていたもの、タートルネックとルーペは一緒。その格好が八木のオマージュになっていることは明らかでしょう。その姿には第12週からの脚本で、第7週以前の世界観を大事に維持していることが伝わってきたのです」(前出・テレビ誌ライター)
ほかにも次週予告には、なにわバードマンの先輩だった由良冬子(吉谷彩子)と舞がカフェで談笑していたり、五島では小3の時に仲良くしていた浦一太(若林元太)も登場。まるで第7週以前の「舞いあがれ!」が復活したかのようだ。
物語初期の視聴者が続々と離脱した航空学校編を乗り越えて、第12週からは再び元の感動路線に戻ることができるのか。次週予告を見る限り、期待を高めても大丈夫なのかもしれない。