【舞いあがれ!】浩太の工場を救うのは悠人ではない?リーマンショックを予測も救世主は刈谷なのか?

 やはり悠人だったのか! そう合点した視聴者も多かったことだろう。

 12月20日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第57回では、ファンドマネージャーとなった岩倉悠人(横山裕)が、リーマンショックを予測した姿が描かれた。

 作中には悠人の独占インタビューを掲載した経済誌が登場。そこにはヘッジファンド「ショートタームキャピタル」でファンドマネージャーを務める悠人が、「リーマンショックを予測した男」として世界から注目を集めていると記されていた。

「当サイトでは12月1日掲載の『悠人はリーマンショックを乗り切るのか…「ヘッジファンド」が重要なキーワードに!?』と題した記事にて、悠人が来たるべきリーマンショックの危機を回避できるとの予測を提示。それが見事に当たった形です。もっとも悠人がヘッジファンドを手掛けていることから考えれば、同じように予想していた視聴者も少なくなかったはず。むしろ注目は、悠人が実家の危機を救うかどうかにあるのではないでしょうか」(当該記事にコメントした週刊誌記者)

 今回の第57回では父親の浩太が、悠人を取り上げた経済誌を読むふけっていた。ねじ工場を営んでいた浩太は2007年、銀行から3億円を借り入れて新工場を建設。自動車用部品に業務を拡大し、大量のボルト類を名神プレステックというメーカーに納品していた。

 しかし前回、リーマンショックの影響を受け、名神からの受注が激減。第57回で工場の現状は具体的には語られなかったものの、浩太が妻のめぐみ(永作博美)に対して「ウチの会社のことは舞には言わんときや」と念押しする場面があった。

 この調子だと浩太が社長を務める株式会社IWAKURAの経営が傾く可能性も大。日々の売り上げはなんとか維持できたとしても、銀行から借入金の返済を迫られたら倒産もやむなしだ。

 そのタイミングで描かれた、悠人の活躍。視聴者としてはリーマンショックでも利益を出すことに成功した悠人が、浩太の借金を肩代わりするという筋書きに期待したいところだろう。

 だが浩太と悠人はあまり父子関係が思わしくない様子。ドライな性格の悠人ゆえ、浩太の苦境を「自然淘汰」として見捨てる可能性すら考えられる。その一方で今回、株式会社IWAKURAにとってわずかばかりながら、光明が見えたというのである。

「浩太の長女でヒロインの岩倉舞(福原遥)は、由良先輩(吉谷彩子)と久しぶりに再会。二人にとって浪花大学『なにわバードマン』の先輩にあたる刈谷(高杉真宙)が諸田自動車に勤めていることが明かされました。上司とはなにかと衝突しているという刈谷ですが、彼が株式会社IWAKURAの救世主になる可能性が示されたのではないでしょうか」(前出・週刊誌記者)

第53回に登場した刈谷と鶴田。刈谷は大学院に進学せず諸田自動車に就職していたようだ。トップ画像ともに©NHK

 刈谷が勤める諸田自動車はトヨタ自動車をもじったものだろう。日本最大の自動車メーカーでエンジニアを務めている様子だが、刈谷はもともと航空工学科で学んでいたはず。飛行機への想いが残るなか、上司と衝突するのも致し方ないのかもしれない。

「ただ今回、なにわバードマンの先輩が何人もいるなか、あえて刈谷の就職先だけに触れたことに、何らかの意図を感じた視聴者も多かったはず。奇しくも株式会社IWAKURAは自動車部品への業務拡大を図っており、それこそ諸田自動車向けの部品も作っているはずです。今は名神プレステックを挟んで部品を納品している形ですが、もし刈谷の関与で諸田自動車と直取引できるようになれば、一気に業績が改善する可能性も期待できそうですね」(前出・週刊誌記者)

 果たして刈谷は救世主になるのか。なにわバードマン編に感動していた視聴者としても、刈谷が再登場してくれる展開であれば大歓迎だろう。