貴司が北極星を指さす場面に異議あり!「舞いあがれ!」で夜空に関するまさかの演出ミスが発生か

 あれ、そこから北極星は見えないんじゃ…。そう思った視聴者も少なくなかったのではないだろうか。

 12月23日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第60回では、不登校児の朝陽(又野暁仁)に、ヒロインの舞(福原遥)と放浪歌人の貴司(赤楚衛二)が優しく寄り添う姿が描かれた。その場面に不自然な描写が見受けられたという。

 学校に馴染むことができず、母親と一緒に東京から長崎・五島に転校してきた朝陽。舞も小3のときに転地療養で祖母・祥子(高畑淳子)の住む五島に滞在した経験があり、朝陽の気持ちも少しは分かるようだ。

 星に強い興味を持つ朝陽は毎晩、庭に面した廊下で星空を見あげていた。すると自分も星が好きだと切り出した貴司が「一番好きなんはあれ、北極星」と指さし、朝陽もその方向に双眼鏡を向けることに。この描写に問題があったという。

「北極星はその名の通り、常に北天に輝いている星。貴司は真北の方角を指さしていたことになります。視聴者から見て左側を指さしていたので、廊下は北西方向に向いているはず。しかしそれは、これまでの作中で示されていた方向とは違っているのです」(テレビ誌ライター)

 分かりやすいのは第4回にて、小3当時の舞が熱を出して寝込んでいた場面だろう。舞は廊下を挟んで庭に面した部屋に寝ており、太陽は左45度の方向にあった。

 この場面で室内の時計は午前10時15分ごろを指しており、陽は南東方向から差していたはず。すなわち祥子宅の庭は、家の南側にあることになるのだ。

 南を向いた廊下からは、角度的に北極星を視認することは不可能。すなわち第60回にて貴司が北極星を指さしたのは、明らかな考察ミスだったのである。

第60回では廊下に西日が差し込む場面が。廊下が南向きである証拠だ。トップ画像ともに©NHK

「些細なことにも思えますが、この『舞いあがれ!』ではヒロインの舞がパイロットを目指しており、航空学校編では方角を確認する場面が何度もありました。それゆえ舞は普段から方角を意識しているはずで、作品自体にとっても方角の確認は重要なはず。この場面では貴司が廊下から庭に歩み出て、北の方角を確認してから北極星を指さすという演出にしてほしかったですね」(前出・テレビ誌ライター)

 そうやってちゃんと方角にこだわれば、本作がどれほど緻密に作られているのかをアピールすることもできただろう。そもそも家屋のセットを作るときには間取り図に方角も書き込まれているはず。方角が分からないと、太陽の光が差し込む描写で迷ってしまうからだ。

 貴司は北極星について「あの星さえ見えてたら大丈夫やねんで」と語り、それを受けて舞も「昔の飛行機はな、星の位置を目印にして飛んだんやで」と指摘していた。

 その会話は将来が不透明な貴司や舞自身にとって、自分に言い聞かせる言葉でもあったはず。そんな繊細な脚本を演出ミスで損なってしまわないよう、制作陣にはより入念な考察をお願いしたいところだ。